
ザ・ノンフィクション、エピソード4: この世界のどこかで、いつも誰かが迎えている“人生の最期”。その“死に様”はもちろん千差万別だ。その中で、最近増加していると言われる「孤独死」という死の形・・・。誰にも看取られることのない死、その後始末。それを業として行っているのが「特殊清掃人」である。無数のハエが飛び交い、死臭が立ち込める部屋で、床や畳に染みついた死体痕、そんな壮絶な死の現場の清掃だ。特殊清掃の会社を営む高江洲敦さんは、これまで二千件以上の現場を見てきた。どんなに汚れた部屋でも、悪臭を完全に取り除き100%原状回復するプロフェッショナル、彼はそう自負する。・・・時に、自殺の現場。清掃の途中で出てきたのは、亡くなった娘に宛てた母親の手紙。文面にあふれる親心に、高江洲さんの作業の手も止まってしまう・・・ ・・・時に、孤独死の現場。その部屋はまるで時が止まったかのように家族との幸せな記憶が封印されていた。すべての孤独死が不幸な死であるとは限らない・・・ ・・・時に、遺族が覚悟していた死の現場も。元警察官の転落人生はアルコール依存症という悲しい終焉に辿り着いた。彼の人生に一体何があったのだろうか? 高江洲さんには「死の現場」に立ち続けるある理由があった。それは、幼い頃に病気で夭折した妹の存在。そのやるせない思いが遺された家族の悲しみに重なり、看取られることなく死んでいった孤独な死の現場に対して強い使命感を持つのだという。しかし、同時に「家族の崩壊」という人間関係の影の部分をも幾つも目の当たりにしてきた高江洲さん。いつしか、彼は「家族を持つ」ということに興味を持たなくなっていた。しかし、そんな高江洲さんにも彼の事を深く理解してくれる女性が現れる。そして「独身主義」を標榜していた彼の姿勢も変わっていく。彼の心を動かしたもの・・・実はそれも、「孤独死」の現場でのさまざまな経験だった・・・。“死の現場”が教えてくれたこと、それは・・・?