青春の門
第3回 朧夜の逃亡者
青春の門(第一部)、エピソード3:
鉱山には不穏な空気が流れていた。軍の資金援助で羽振りを利かせる東日鉱山が、重蔵(北大路欣也)たちの豊陽炭鉱から札ビラをきって悪質な引き抜きをしている。重蔵とタエ(小川真由美)は親子3人で花見に行った帰りに、ケガをした少女に出会う。激しい敵意をあらわにする少女だが、家に連れて帰り手当てをすると心を開いてきた。少女は李春南(上原ゆかり)と名乗り、朝鮮人の炭鉱員・金朱烈(山本圭)が話を聞くと、1カ月前に前金をもらって国から東日鉱山へ来たが、ひどい環境から逃げ出したという。重蔵は引き抜きのこと、少女のことで腹の底から怒りを覚え、1人で東日鉱山に向かうことを決意する。