S3, E1: 話: 江戸の町で、家人を皆殺しにする残忍な手口で盗みを繰り返す「血頭の丹兵衛」と名乗る盗賊が現れる。火付盗賊改方の長谷川平蔵(鬼平)は捜査に当たるが難航する。そんな中、捕らえられた盗賊・小房の粂八は、かつて自身が師と仰いだ血頭の丹兵衛がそのような外道働きをするはずがないと主張し、今暴れているのは偽物だと訴える。粂八が知る丹兵衛は、「殺さず、女を犯さず、貧しき者から盗まず」という盗賊の三ヶ条を厳守する本格派の盗賊であった。平蔵は粂八の言葉に耳を傾け、彼を密偵として牢から出し、真の丹兵衛の探索を命じる。粂八は丹兵衛一味が潜伏しているという島田宿へ向かうが、そこで再会した丹兵衛は、かつての誇りを失い、残忍な盗みを厭わない姿に堕ちていた。その頃、江戸では本物の丹兵衛の仕業と思われる、誰も殺めず、いつ押し入ったかも分からない見事な盗みが起こる。粂八は、闇に堕ちた丹兵衛と、真の盗賊のあり方を守ろうとする者たちの間で苦悩し、やがて平蔵と共に事件の真相に迫っていく。
