
Real Folder、エピソード3: 駅や街角に設置されたストリートピアノ。そのステージを主戦場にYouTubeで配信を続け、日本中で大注目を集めているピアニストがいる。その名は“ハラミちゃん”。 自身のYouTubeチャンネルは登録者数179万人(2021年9月時点)、総再生回数は3億8000万回を超え、ピアノカバーアルバム「ハラミ定食」はビルボード週間総合ランキングで1位を獲得。いま、様々なメディアに引っ張りだこになるなど、飛ぶ鳥を落とす勢い。 彼女の人気の理由の1つは、その屈託のない笑顔にある。ポップスを始めとする様々なジャンルの楽曲を満面の笑みで巧みに奏でる姿が、老若男女問わず多くの人々を魅了して止まないのだ。 そんなハラミちゃんだが、ここに至るまでには度重なる挫折を経験していた。 4歳でピアノを始め、クラシックピアニストになるために日夜練習に励んでいたが、高校時代に音大受験の為に師事したピアノの先生に志望校をあっけなく却下され、夢はいとも簡単に閉ざされる。それでも音楽を学びたいと音大に進学したが、ピアノ専攻の音大生が社会で汎用性がないことを痛感し、一念発起してIT企業へ就職。がむしゃらに働き続け、新たな生きがいを見つけたように思えたが、望むような評価が得られず、3ヶ月間引きこもり生活を送ることに…。 そんな絶望の折、職場の先輩の誘いで向かった東京都庁。そこで出会った“ストリートピアノ”が彼女の運命を変える。何気なく立ち寄った都庁の展望台で無我夢中で演奏したピアノ。その様子をYouTubeで配信すると、瞬く間に視聴回数が上がり続けた。ポップスピアニスト・ハラミちゃんの活動はここから始まった。 自分が奏でるピアノを誰かに聞いてもらうこと。その人に何かを感じてもらうこと。人に寄り添う温かな思いがあるからこそ、彼女の奏でるピアノは心に染み渡る。カメラは取材する先々で、ハラミちゃんと観客が一体となる瞬間に何度も遭遇した。 今や時の人とも言えるハラミちゃん。目まぐるしく過ぎる日々の中で、彼女は何を思い、どんな未来を思い描いているのか? 番組では、ハラミちゃんの原点であるストリートピアノの現場やビルボードでのワンマンライブ、ラジオ収録や友人とのプライベートに加えて、今一番弾いてみたいというピアノがある場所での演奏など、普段見ることのない瞬間に立会い、ハラミちゃんの“リアル”に迫った。