
シーズン1、エピソード1: 帆村正義(唐沢寿明)は東京都内で心理学の教鞭を執る大学教授。正義が行う恋愛心理学の講義は彼のウィットに富んだ話術で学生たちの間では常に人気を博している。だが、正義には、史上最強と謳われた窃盗団「テイク・ファイヴ」の元メンバーというもうひとつの顔があった。正義は父親とともに「テイク・ファイヴ」で“悪い奴らから大金をせしめる!”という風変わりなポリシーで泥棒をしていた。ところが、20年前のある出来事がきっかけで正義たちは「テイク・ファイヴ」を封印。それ以来、正義は泥棒とは無縁の生活を送っていた。ある日、講義を終えて研究室に戻った正義は1通の不審な茶封筒に気付く。茶封筒の中身はレオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画「ルクレツィアの肖像」の写真だった。正義がふと研究室から窓の外を見ると、ホームレスの女(倍賞美津子)が正義を見つめていた。直感的に茶封筒を置いた主がこの女だと察した正義が声をかけると女は、「ルクレツィアの肖像」は東都銀行の担保倉庫にあると言い、さらに正義が泥棒だったことを知る素振りを見せて立ち去る。固い決心で泥棒から足を洗った正義だったが絵画の所在を確認したい衝動に駆られ、東都銀行の担保倉庫に忍び込む。ところが、肝心の絵画は倉庫にはなく、正義はそこで一匹狼の泥棒・新美晴登(松坂桃李)と遭遇してしまう。互いに同業だと察した2人は鳴り響く警報を耳にし、ともに倉庫から立ち去ろうとする。同じ頃、芝大門警察署の刑事・笹原瑠衣(松雪泰子)は、部下とともに通りがかった東都銀行で異常事態が発生したことを知り、銀行へ駆けつける。幼少時代に起こった辛い出来事が原因で人一倍窃盗犯罪を憎んでいる瑠衣は銀行内に不法侵入者がいると気付き、捕らえようとするが…。一方、瑠衣と同じ芝大門警察署に籍を置く岩月櫂(稲垣吾郎)は、警察という封建的な組織社会に身を置きながら周囲と同調しない独特な性格と行動力を持つ。岩月は上司から疎んじられ署内の閑職へと追いやられるが、謎の行動を取り始め…。