スローなブギにしてくれ

夕暮れの第三京浜。白いムスタングから仔猫と若い女の子が放り出された。後ろから４００ｃｃのオートバイで追いついてきた少年が声を掛けてきた。ゴローとさち乃のそれが初めての出会いだった。走り去った車の中に財布や定期入れを置いてきてしまい金を持ってない。さち乃はゴローのアパートに居つくようになった。奇妙な同棲生活のはじまり。ムスタングの男は福生の旧米軍ハウスに暮らしていた。こちらも奇妙な同棲生活。仕事仲間だった輝男と敬子のカップルが男の家に転がり込んだのだ。生まれた子もどちらの子かわからない。子供は敬子の妹由紀子に預けられていた。ある日輝男は心臓発作であっけなく死ぬ。通夜の席で男はいたたまれず、忘れ物からさち乃の住所を知り、会いに行く。財布の礼をいうさち乃を強引に抱き寄せキスする。ゴローとさち乃のそれなりに安定していたがある日仲たがいし、さち乃は男に連絡を取り、ホテルへ。ゴローのアパートへ帰りづらい。スナックでアルバイトを始めた矢先、作業服の男二人に襲われる。再び男の許へ行くが、奇妙な雑居生活に耐えられず行方を消す。消えたさち乃を求め男はゴローを尋ねる。二人の間に不思議な連帯感が生まれる。スナックでしょげ返るゴローのもとにさち乃が帰って来た。やがてゴキゲンなブギがゆっくりと二人を包む。