二十才の微熱

僕がなりたいものは、なんでもないもの。男「君、いくつ？君もいけるんだ？」樹「男も女も変わんないですよ。好きじゃなくてもセックスって出来るし。」島森樹－１９才。昼は普通の大学生。夜はゲイバーで男たちに体を売っている。離婚した両親とも離れて一人暮しをつづけながら、常に誰も愛さず誰も憎まない距離感のなかで生きている。そんな彼に大学の先輩・頼子と、クラブで出会った少年・信は惹かれていた。愛はくれないけれど、優しい樹。彼への気持ちが愛情なのか友情なのか、自分でも理解できない頼子。樹の側新にいながら、何もはっきり伝えられない信。そんな信にイライラしている幼なじみのあつみ。４人の気持ちは、微妙に揺れ始めるが．．．主人公、樹（袴田吉彦）と、彼を慕うホモセクシャルの男子高生、２人の女の子という、４人の人間関係を通して、若い世代の息づかいを感性豊かに描き上げる……。©1993ぴあ・ポニーキャニオン