大手鉄鋼会社のやり手社員・正木弘(近藤正臣)は、単身赴任で東京の一戸建て社宅で暮らしていた。上司の信望も厚く、部長の地位も約束されている正木だったが、向かいに住んでいる高校の友人・小宮の妻・ユウ子(原日出子)とかかわったばかりに、ユウ子が誤って殺してしまった小宮を自宅の庭に埋めるはめになる。 東京に5年はいるはずだったので、その間に小宮の死体は骨になり、完全犯罪が成立するはずだった。小宮の死体の上には、美しい真紅のバラの苗木を植えた。しかし、正木に心を寄せていたユウ子も、毎日そのバラを眺めて暮らすのに耐えられなくなり歩道橋から身を投げた。ある日、正木は人事異動で名古屋工場長を命じられる。会社始まって以来の大抜擢であった。そして、その夜狂ったように死体を掘り起こす正木の姿があった…。(C)近代映画協会
