望郷
1978年、日本人フォト・ジャーナリストの芥川は、ベトナム戦争終結時に取材を行っていた南ベトナムのダナンに3年ぶりに帰って来た。ベトナムの子どもたちを撮る写真集のために街を撮り続けていた彼は、表向きの復興とは裏腹に、政府軍による反対勢力狩りが続き、一般市民への弾圧が強化され治安も悪化し人々が困窮している事実を知る。そんな中、芥川は14歳の少女カム・ヌオンと出会う。親族の死や悲惨な境遇に見舞われながらも逞しく生きる彼女の姿に感動した彼は、撮影機材を売り、彼女と弟をベトナムから出国させるために尽力するが…。
