白昼の銀座で幼女が誘拐された。犯人の要求は身代金百万円。八重洲口に出かけたのは捜査三課から転任の北川刑事だったが、犯人はなぜか現場に現れず、幼女は行李詰めの死体となって発見されてしまう。後悔のほぞを噛む沈痛の捜査本部であったが、そこにまたも少年誘拐事件の発生を告げる電話が入る。使い古しの活字にスタンプインキをつけた脅迫状は、先刻の幼女事件と同じものであった…。幼児誘拐の悪質な犯人を追い、報復を恐れる家族の協力さえ得られないなか、捜査に苦労しながらも唯一の手がかりである電話網に喰いつき、必死の努力を続ける刑事の姿を描くシリーズ18作目の迫真篇。[人情](C)東映
