MOROCCO 横浜愚連隊物語

MOROCCO 横浜愚連隊物語
横浜の街を闊歩するイキな一団。モロッコの辰と、辰の率いる愚連隊である。敗戦国の惨めさなど微塵も感じさせず、白人兵と対等にやり合い、進駐軍の物資を奪い、方々から金を巻き上げ警察までもを抱き込んで気勢を上げる――。横浜愚連隊四天王の一人たる辰の元にはその自由な生き方を慕い、イキのいい若者たちが次々と集った。彼らは戦後の混乱に乗じてのし上がって来た自由な若者たちの集団であった。「俺は人の風下にゃ立てねえんだ!」そううそぶき、自由であり続けるために戦い、無鉄砲なまでの勇気と、ダンディさと純情と、鋭い知性をあわせ持ち、海の向こう、はるかなモロッコへの憧れを終生捨てはしなかった男。モロッコの辰こそは新しい時代に彗星のごとく現れ、烈火のごとく燃えさかった「グレ」だった。 だが古い因習との衝突もまた激烈を極めた。辰はやがてハマ中のヤクザとの抗争に巻き込まれてゆく。[ヤクザ](C)東映