ビッグメン

ブラッド・ピットがエグゼクティブ・プロデューサーの『ビッグメン』は、テキサスの石油会社が西アフリカ沖で大規模な石油を発見した話を追う。これまで閉ざされた巨大なる石油業界の内幕に迫る。ウォール街の取締役会からナイジェリア・ジャングルの武装グループの基地まで、世界中で密着取材を敢行し6年の歳月をかけて仕上げた。レイチェル・ボイントン監督は密室に入り込める非凡な才能の持ち主であり、コスモス・エネルギーが大規模な油田を発見した過程の模様は非常に貴重だ。ジュビリー油田と名付けられた海底に埋ったこの巨大石油は、投資家に驚くべき$2. 2ビリオンドルもの巨額な報酬が期待される。『ビッグメン』はまさに内部から捉えた話で、混乱が治まったと思いきやさらなる予期せぬ展開が次から次へと繰広げられる。映画『チャイナタウン』もしくは『ゼア・ウィル・ビ・ブラッド』の現実板だ、とバラエティ誌の評論家スコット・ファウンダスは評価する。この稀に見る秀作は基本的な疑問を提議する。何が我々を駆り立てるのか? 抑えのきかない貪欲さは人間が持つ本性なのか? 我々は不和より結束の方が大切だと今後悟ることは出来るのだろうか?