愛はステロイド
1989年、ニューメキシコ州の田舎町。単調な毎日を過ごしていたルー(クリステン・スチュワート)は、勤め先のトレーニングジムで逞しい筋肉を纏ったジャッキー(ケイティ・オブライアン)と運命的な出会いを果たす。オクラホマ出身の彼女は、来月ラスベガスで開催されるボディビル大会に出場するため、経由地としてこの町に流れ着いたのだという。男と殴り合いになったジャッキーを介抱するうちに彼女に惹かれはじめたルーは、ジムでまとめ買いしているステロイドをプレゼントする。流れのまま熱い口付けを交わした2人は、ルーの家で身体を重ねるのだった。 泊まる場所のないジャッキーはそのままルーの家に滞在することに。ジャッキーは日銭を稼ぐためにウェイトレスとして町外れの射撃場で働き始めるが、そこはルーが嫌悪する昆虫愛好家の父親、ルー・シニア(エド・ハリス)が経営していた。母親は12年も前に家族の元を去って以降音信不通。シニアは表向きには射撃場やトレーニングジムの経営者であったが、メキシコに大量の銃を密輸し稼ぐ裏の顔を持っていた。 共に暮らすなかで愛を育みはじめたルーとジャッキーは、一緒にボディビル大会に行こうと約束する。ある夜、2人はルーの姉であるベス(ジェナ・マローン)とその夫JJ(デイヴ・フランコ)とともにレストランで食事をしていた。実はベスはJJにDVを受けているが、ベスはそれを愛だと盲信するばかり。姉を傷つけるJJに詰め寄ったルーだが、そこで彼が以前ジャッキーと肉体関係を持ったことを知る。ただしそれは2人が出会う前の話。それでも殺したいほどに嫌悪するJJと関係を持っていたことが許せないルーは激しく言い争うが、その喧嘩を通じて2人はまた仲を深めるのだった。 翌日、ベスが緊急搬送されたと病院から電話を受けたルー。急いで病院に向かうと、病室には顔を腫らし意識不明の重体となった姉の姿が。明らかにJJの仕業であるが、証拠がないため逮捕もできない。怒りに震えるルーの姿を見たジャッキーは一人病室を飛び出し、JJの家で彼を殺害する。ジャッキーがJJを殺したと知ったルーは、彼女を助けるために死体を車に乗せて荒野のある場所に向かう。しかしその姿を、ルーに一方的な好意を寄せるデイジー(アンナ・バリシニコフ)に目撃されていた。互いを守るための行動で父親やFBIからも追い詰められていく2人は、果たして苦境から抜け出すことができるのか――。