クライヴ・リッシュ

アントニウスは、執政官としてローマでの地位を固めつつあった。オクタヴィアヌスはカエサルの養子として遺産金相続の権利を主張するが、アントニウスはのらりくらりとかわす。エジプトの女王クレオパトラは、息子カエサリオンをカエサルの息子として正式に承認させるためローマを訪問する。アティアはクレオパトラへの憎しみを募らせる。エラステス亡き後、アヴェンティヌスの利権を巡り不穏な空気が流れていた。ヴォレヌスが事態収拾の任務を負うのだった。

アントニウスは執政官の任期終了後マケドニア総督に就任する予定であったが、考えを変えてガリア総督になりたいと言い出す。アントニウスはキケロに賄賂をちらつかせ、ガリア総督への就任を推薦するよう脅迫する。キケロは脅しに屈せず、キケロの提案書をもって元老院でアントニウスを糾弾し、さらにはオクタヴィアヌスと共謀する。オクタヴィアヌスは元老院の派遣した二人の将軍と連合軍を組み、アントニウスの討伐のためガリアへ向かう。ブルートゥスとカッシアスは外国で資金調達して軍を召集しようと奔走していた。

オクタヴィアヌスとアントニウスは再び結束する。彼らの和解を持って、ブルートゥスの軍事的立場は極めて脆弱なものになった。アントニウスたちは決戦を前にして、ローマの権力者たちを一斉に粛清することを決める。ヴォレヌスは命令に従い、組合の元締めたちに粛清の実行を言い渡す。オクタヴィアヌスとアントニウスから強い恨みを買うキケロは、プッロに自宅で殺される。フィリッピの戦いが幕を開ける。ローマの未来をかけて、オクタヴィアヌスとアントニウスの連合軍とブルートゥス軍が激しい戦闘を繰り広げるのだった。

ヴォレヌスは奴隷にされていた子供たちを救い、ローマへ連れ帰る。子供たちのために組合の抗争を終わらせ、安全に暮らそうとする。しかし子供たちの父への憎しみは消えない。オクタヴィアヌスはローマへ戻り、アティアやオクタヴィアと再会する。彼はローマの執政官に就任するためキケロを説き伏せる。キケロは何事も自分に相談するならば同意するという。しかしオクタヴィアヌスは軍事力を持って、元老院でブルートゥスとカッシウスを共和国の敵と宣言する。キケロはこの動きをブルートゥスたちに密告し、ローマへの進軍を促す。