音無可憐 (榎本加奈子) は今日も友人たちと、3年D組の教室を覗き込んだ。お目当ては、武田軍司 (岡田義徳)。可憐の憧れの君である。可憐のクラスメートの真下春香と岸宏子も思わず身を乗り出した。3人は1年A組の仲良しグループだ。下校途中、可憐たち女子3人は、その足でファーストフード店へ。ここでも一同のにぎやかさは変わらない。ところが、その時…。「うるせぇ女」どこからともなく聞こえてきたその一言に、たちまち可憐は凍りついた。それは、オーダー待ちの列に並んだ軍司の声だった。その後も無論、軍司は自分の言葉が可憐に聞こえているとは思っていない。軍司の好きなタイプは…可愛くて、おとなしくて、か弱くて、いつもニコニコ微笑んでいて…、おまけにメルヘンチックで、陰からいつもそっと見ているような女の子。

今日も可憐 (榎本加奈子) に追いかけられる悪夢で目が覚めた軍司 (岡田義徳)。ここのところ毎日うなされているのだ。それでも着替えをして学校に出かけた軍司は、しゃがみこんで、何やらぶつぶつと喋っている可憐に気づく。つい、「誰としゃべってるんだ」と話しかけてしまった軍司。すると可憐は、アリの“ブラック”と話しているといい、軍司を呆れさせる。しばらくすると、可憐の悲しそうな声が…。誤って、ブラックを踏んでしまったのだ。小さなお墓を作って、ブラックの冥福を祈る可憐。やれやれと思いながらも一緒に祈る軍司…。可憐の1時間目は体育。ラインを引くように言われた可憐は、ナイスアイディアを思いついた。そしてラインカーで“グンジィ、マイ、ラブ”とグランドいっぱいにメッセージを書いた。

今日もふと、嫌な気配を感じ、すかさず押入れに隠れて可憐 (榎本加奈子) に見つからないよう、居留守を決めこんだ軍司 (岡田義徳) は“逃げている”自分がなんだかイヤになり、これからは可憐に会っても平常心でいようと心に決めた。そして、ファミリーレストランで修平 (井澤健) や久美子 (小嶺麗奈) に「もう大丈夫だ」と話す。しかし、なにげなくファミリーレストランから外を見ると、窓に可憐が張りついていた。さらに“グンジィ、マイ、ラブ、フォーエバー”と曇ったガラスにメッセージを書いた。ヘナヘナと力が抜ける軍司…。

軍司 (岡田義徳) の部屋にまたしてもあがり込んでいた可憐 (榎本加奈子) は、彼をムリヤリ家へと連れていって、お手製のスパゲッテイをごちそうした。ちょうどお腹がすいていて、しかもけっこう美味。そこに可憐の父･秀樹 (草刈正雄) が仕事から帰ってきた。軍司は秀樹が持っていた設計図の入った筒を見て興味を示す。設計士になるのが夢だという軍司は、秀樹の手掛る市民ホールの設計図を見ながら語り合い妙に気が合う。そんな二人を見て、可憐は嬉しかったりする。そんな折、可憐の誕生日が近づき、可憐は自分の誕生日をアピールし、誕生日の招待状を送った。ところが、可憐の誕生日は偶然にも久美子 (小嶺麗奈) と同じ日。久美子は前から軍司たちとパーティをする約束をしていたのだ。久美子は、不安になる。

バレンタインデーが近づいたある日、可憐 (榎本加奈子) は、軍司 (岡田義徳) のために手作りチョコレートを作ることにしたが、軍司が気に入ってくれるチョコレートはどんなものかと頭を悩ませる。と、そこに父の秀樹 (草刈正雄) が、「グンジィの一番好きなモノの形にすれば喜ぶのでは」と助言。可憐は、修平 (井澤健) を呼び出し、軍司の好きなモノを聞いた。すると修平は、「軍司の夢は自分で家を作ること」と話す。早速可憐は、設計図を引き、夢のお家チョコレート作りに励んだ。一方、久美子 (小嶺麗奈) も軍司のために手作りチョコレートを作ろうとがんばっていた。可憐がどんな手を使ってくるかを考えながら…。そんな折、軍司は中学3年生の頃、良美 (菅野美穂) という同級生にバレンタインのチョコレートをもらったことを思い出していた。

偶然、家の前で中学時代に好きだった良美 (菅野美穂) と再会した軍司 (岡田義徳)。聞くと良美はおばさんの家に来ていて、4日間しか滞在しないという。そんな中、犬の散歩をしていた良美が持っていたウンチの入った袋をするどく指摘した可憐。そんな可憐をムリヤリ帰らせて、2人きりにさせてあげようとする久美子 (小嶺麗奈) …。軍司はゲームパークに行こうとあわてて良美を誘う。次の日…軍司は修平 (井澤健) や久美子たちも誘ってゲームパークに出かけたが、なぜか可憐の姿も…。可憐は察知して軍司の家で待っていたのだ。仕方なく可憐を連れていった軍司たち。