滑稽話のイメージがある落語だが、実は怖い話の宝庫でもある。落語の演目の中でも“人間の怖さ”が際立つ演目をアレンジ&ドラマ化した新感覚オムニバス落語ドラマ。
エピソード1
心眼
盲目の按摩師・梅喜 (東出昌大) はある日、芸者・小春 (松本妃代) からお百度参りをすれば満願叶うという話を聞き茅場町の薬師様へ通うことにする。ついに参拝100日目、帰宅した梅喜は目が開いたことに気づく。しかし、梅喜を支えてきた妻・お竹 (黒木華) はどこか浮かない表情。数日後、梅喜は客の旦那からお竹は小春と比べて器量が悪いのだと聞かされる……
エピソード2
辰巳の辻占
伊之助 (岡山天音) は、女郎・お玉 (山本美月) が自分に夢中なのだと友人・菊次郎 (大東駿介) に自慢する。半信半疑の菊次郎は自信があるならその女を試せと嗾け、伊之助はお玉に嘘をついて一緒に心中してほしいと頼むことに。するとお玉はこれを快諾。菊次郎に、欄干に足をかけるところまで確認しろと言われた伊之助は、嬉しい気持ちを隠しながらお玉と川へ向かう。
エピソード3
紺屋高尾
紺屋の染物職人・久蔵 (永山絢斗) は、江戸一番の花魁・高尾太夫 (瀧内公美) が描かれた美人画に惚れ込んでいた。恋煩いで働けなくった久蔵を見かねた旦那 (奥田洋平) は、「3年で金を貯めさせてやる」と約束。3年を迎えた日、久蔵は藪医者 (きたろう) の口利きでついに遊郭へ。本物の高尾太夫と対面するのだが……。
エピソード4
宮戸川 上
祝言をあげようとしている半七 (若葉竜也) とキミ (奈緒) は、舟で酔っぱらった客・亀 (中島歩) に絡まれる。亀の顔を見たキミは、それが友人・お花 (萩原みのり) に乱暴をした犯人だと気づく。半七とお花はかつて夫婦になる約束をしていたが、亀に襲われた日からお花は失踪しているのだった……。
エピソード5
宮戸川 下
キミ (奈緒) から、亀 (中島歩) こそがお花 (萩原みのり) を襲った犯人だと聞かされた半七 (若葉竜也)。恐る恐る亀に真相を尋ねると、酒に酔った亀は「いい女だった」と自慢げに当時のことを話しだす……。
紙入れ
得意先のおかみさん(吉田羊)のもとへ約束の品を届けに来た小間物屋の新吉(金子大地)は、偶然おかみさんと旦那(村上淳)のいとなみをのぞいてしまう。あくる日、再び商品を持ってきた新吉のふところに、手紙をそっと滑り込ませるおかみさん。そこには「明日の夜は旦那の帰りがないから、顔を見せにいらして」とある。翌晩、新吉は、旦那がくれた財布にその手紙を入れておかみさんを訪ねてしまうのだが……。©2023 WOWOW INC.