エド・シーラン：The Sum of It All

エドは揺るぎない信念を持って世界的成功を手にした。10代の頃の秘蔵映像を交えて、エド本人が予想外の成功の秘けつを語る。音楽業界から無視されていたエドはあらゆる場所で地道なライブ活動を続け、2010年にメディア起業家のジャマール・エドワーズと出会う。２人は急成長していたインターネットを利用してファンを増やしていった。そして「Ａチーム～飛べない天使たち～」がアメリカで大ヒット。だがエドにはまだ何かが欠けていた。彼の代表的なラブソング「パーフェクト」は、彼の高校時代の友人で現在の妻チェリーのために書かれた曲で２人のラブストーリーになっている。すべてを手にしたかに思えたエドだったが、チェリーの命に関わる知らせを受けて、エドは人生が計画どおりにいかないことを思い知る。

エドは彼の両親と妻のチェリーと共に昔の写真を見ながら、故郷の町に戻ってきた理由を語る。ディバイド・ツアーの未公開映像では彼が信頼している友人たちが紹介される。彼を支えてくれる砦のような存在だという。だが思いも寄らぬ不幸が彼を襲う。親友のジャマール・エドワーズが突然亡くなったのだ。エドは初めて喪失に直面し、苦悩しながらジャマールを追悼する。彼のレガシーと友情について思いをはせながら、エドは音楽をセラピーとして使い、再び仕事に打ち込む。ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われた公演にはイギリス人アーティストのストームジーも参加。エドと共に熱いパフォーマンスを見せる。その後エドは故郷の街角に立ち、サプライズライブを開催。驚く観客たちの前でヒット曲の「シンキング･アウト･ラウド」を披露する。

エド最大のヒット曲のひとつ 「バッド・ハビッツ」の制作過程を記録した映像が初公開され、改めて彼の曲作りの才能が示される。“Eyes Closed”は2018年に書かれた曲で、最新バージョンはよりハートフルな仕上がりになっていると言う。エドは激動の１年を経て気持ちを整理し、ニューアルバム「サブトラクト」の完成に向けて全力を注ぐ。彼が10年以上にわたり取り組んできたアルバム・シリーズを締めくくる作品で、通算５枚目のアルバムだ。エドはジャマールの死を悼みながら精力的に制作に取り組み、新作のために14本のミュージックビデオを撮影。ロックの殿堂の式典ではエミネムと共演し、子供の頃の夢をかなえる。しかし妻のチェリーは、エドが仕事で気を紛らわせているのではないかと心配する。エドは「サブトラクト」の曲を初披露するが、感情を抑えられなくなってしまう。

最終エピソードでエドはツアーのプロモーションのためにアメリカへ飛び立ち、エドとチェリーは遠距離にいながら家庭と仕事を両立させる難しさについて振り返る。自宅でエドと再会したチェリーは、この１年でエドに起きた変化について語る。エドは友人のイギリス人アーティスト、ストームジーに会い、ニューアルバム「サブトラクト」で自分の内面をさらけ出すことに対する不安を打ち明ける。ジャマールへの追悼としてエドは彼との友情についてラップした「F64」という曲を制作、チェルシーＦＣの本拠地であるスタンフォード・ブリッジでエモーショナルなパフォーマンスを披露する。チェリーの健康状態について朗報が入り、彼女とエドは１年間の苦難と勝利を振り返り、未来への希望を語る。