エビータ 亡骸のゆくえ

1952年７月26日、エバ・ドゥアルテ・デ・ペロンの死後、慰霊碑で公開するために遺体に防腐処理が施される。1955年、軍部のクーデターによりペロン大統領が失脚。軍部はエビータの遺体が民衆の団結のシンボルになるのを恐れ、モーリ･ケーニヒ大佐に遺体の処分を命じる。1971年、遺体の行方を探る記者のマリアーノ･バスケスに身の危険が迫る。

1971年、マリアーノは暴行を受けたあともエビータの遺体に関する調査を続ける。父親の死、私生児としての生い立ち、芸能人になる夢など、エビータの人物像が明らかになっていく。1955年、ケーニヒは３人の部下にエビータの遺体をCGTから運び出すように命じる。しかし、計画は暗礁に乗り上げ、任務を遂行することが出来ない。遺体は軍部のトラックに積まれたまま市内を転々とする。

1971年、マリアーノと妻のイレーネは調査について口論する。自宅が荒らされ、イレーネは危険を確信する。マリアーノはエビータを知る人物たちを秘密裏に取材し続ける。1955年、ケーニヒは裏切り者の存在に気づく。

1971年、危険を確信したイレーネは国外脱出を計画するが、マリアーノが拒み夫婦関係は破滅する。1955年、自宅にある遺体を見つけたアランシビアの妻は、泥棒と間違われて夫に銃で撃たれる。遺体に執着するケーニヒは悲劇を隠匿する。1945年、ペロンが拘束されエビータは途方に暮れる。ペロンは労働者たちの圧力により解放され、大統領になることを確信する。ペロンはエバに求婚する。

マリアーノは、アランシビア家の悲劇のあと遺体が映画館に移されたことを知る。映画館のオーナーであるシフエンテスはケーニヒとつながっており、マリアーノとケーニヒの面会を取り持つ。1955年、ケーニヒは映写技師に遺体の保管を命じる。1948年、エバ･ペロン基金を待ち望んでいた映写技師のアストルガは、援助を受けられぬまま最愛の人を亡くしていた。

1971年、マリアーノは酒で人格が変わってしまっているケーニヒに会う。ケーニヒは“真実”を話すと言い、家族が攻撃されたことや、任務から解任された経緯を話す。1948年に女性参政権の活動をするエビータを支えたのは元助手の自分だと語る。エビータに対する愛憎を聞かされたマリアーノは、ケーニヒの内に潜む深い闇を知る。酔って正気を失ったケーニヒは、過去を求めて街へ出て行く。