クラッシュギアNitro

クラッシュギアの新たなる物語が始まる！ 前作から少し先の未来、クラッシュギアがストリートまで浸透した世界が舞台だ。主人公、真羽勝は小学5年生。クラッシュギアをこよなく愛するのだが、ひとつだけ問題があった。それは自分のギアを持っていないこと！ まだ見ぬ自分だけのギアのクレイモデルを大事に抱え、新しく引っ越してきた街で彼がいきなり見たものは、ギアでトラブルを解決するヒーロー、クラッシュキッドだった。そしてそのクラッシュキッドの使うギアこそ、往年の名機、ガルダフェニックス！ 鮮やかにトラブルを解決したクラッシュキッドを見送る勝は、そこで出会った少女なつみと、彼女の親衛隊長、ヒデこと沖田英俊と出会う。

クラッシュキッドの衣装を前に悩む勝。「俺がクラッシュキッド？……ありえないな」銀二郎がクラッシュキッドだと分かってない勝は、衣装を銀二郎に返しに行くが、なぜかうまく乗せられて結局クラッシュキッドとなることに。クラッシュキッドとなった勝はギアファイトで次々とトラブルを解決してゆく。愛するなつみがそんなクラッシュキッドに熱を上げていることに嫉妬したヒデは、一目勝を見返してやろうと考え、あの国府田のギアを創った佐奈間ラボのギアファイター試験に挑む。が、結果は惨敗。だがどうしても諦められないヒデは新型テストギア『ウィングラプター』を奪ってしまう。そしてそのギアを持って向かったのは勝とのファイトだった。なつみと自分のプライドを取り戻すために、ヒデはクラッシュキッドこと勝にファイトを挑んだのだった。激しいファイトの中、ヒデもまたウィングラプターの鼓動を感じてゆく。だがそのころ、テストギアを奪われた佐奈間ラボの主任、佐奈間と天才ファイター、阿久沢由宇がウィングラプターの存在抹消に動き出していた。ガルダフェニックスとウィングラプターのファイトに割ってはいる由宇のギア、キングシュバルツ。由宇は無常にはウィングラプターをギアシュレッダーに入れて破壊しようとする。だが勝はギアをそんなふうに扱う由宇を許せずにファイトを挑む。相手は世界レベルのファイター。果たして一介の新米ファイターなどに勝負ができるのか？

ウィングラプターを破壊するために現れた阿久沢由宇に、勝はファイトを挑む。しかし由宇の持つ最新ギア、キングシュバルツの前に惨敗。ガルダフェニックスも致命的なダメージを負ってしまった。ギアファイトでの始めての敗北に勝は落ち込む。精細を失ってしまった勝を元気付けようとあれこれ考えるなつみ達。なつみに埠頭に連れ出された勝はそこで楽しげにギアファイトをする少年を見る。その少年のファイトから、勝つことばかりにとらわれていた自分に気づいた勝は、再びギアファイトを続けることを決意する。そのころ、街の大会に由宇が出場していることを知ったヒデは、先日の借りを返すべく大会に乱入していた。ヒデの危機に間一髪で駆けつけた勝は、再び由宇に挑戦する。だが、力の差は依然埋まらず、キングシュバルツがガルダフェニックスに襲い掛かったそのとき、クラッシュキッドが勝のクレイモデルを持って駆けつけた！ガルダフェニックスの魂を受け継ぎ、そのクレイモデルの中から産声を上げる新たなるギア。そのギアこそ『マッハジャスティス』だった！キングシュバルツとマッハジャスティスが互角に戦うのを見た佐奈間はあわててファイトを中断してしまう。だが由宇は勝をファイターと認め、ウィングラプターをヒデに譲って去ってゆくのだった。

いつものようにシルバーマックスでたむろする勝達のもとに、いきなり一人の少年が駆け込んでくる。なりゆきでその少年を追手から匿った勝たちに、自分の名が『TB』だと打ち明ける少年。なつみの好奇心がTBに注がれていることが気に食わないヒデはTBにファイトを申し込む。ぴかぴかに磨き上げられたギアを取り出したTBは、ギアを全くぶつけることなく、ヒデの自滅を誘って勝利してしまう。だが、そのファイトが追っ手に見つかり、再び逃走を始めるTB。ヒデの機転で危機を救われたTBは、そのまま勝の家で一晩を過ごすことになった。しかし目覚めた勝とTBは、なぜか勝の家でお茶を飲む追手たちを見て仰天してしまう。なんとその追っ手はTBの兄、ZDだというのだ。ZETという謎の組織から逃げ出したTBを負ってきたことを語るZD。ZETに帰りたくないというTBは、ファイトでそれを決めようとする。ZDの力量の前に苦戦するTBだが、愛するギアに傷を入れられた瞬間に豹変。絶叫を上げてZDのギアを弾き飛ばす。ひとまずは諦めたZD達。しかし迷惑をかけたくないと言い残してTBは去ってゆく。だが翌日、勝たちのクラスに現れたのは、転校生TBだった！

いつものように学校に登校してきた勝たちの前に国府田が現れた。勝とのファイトに敗れた国府田は佐奈間ラボからクビを言い渡され、勝にその落し前としてファイトをするために来たのだった。しかし学校の違う国府田は校門の前で追い払われてしまう。その勝たちの学校はまもなく開かれる学芸会のための準備に忙しい。勝たちのクラスの出し物は『ロミオとジュリエット』。そのジュリエット役はなんとかつらをかぶったTBに決まった。一方国府田は目的を失い、一人公園で呆けていた。佐奈間ラボを首になり、勝とのファイトもかなわなかった。ギアファイトに嫌気が差し、アイアンアイアンウルフまでも捨ててしまおうと決めたとき、国府田の前に現れたのはジュリエット姿のTBだった。ギアファイトを辞めるつもりだった国府田はTBの優しい言葉と美しい姿に、もう一度勝と闘う気力をよみがえらせる。そして学芸会の発表の日、勝とTBによる『ロミオとジュリエット』が行われているまさにそのとき、体育館に国府田が現れた。自分のクラッシュギア人生をかけて挑んできた国府田の熱意を感じ、その挑戦を受ける勝。新型ギアマッハジャスティスと、アイアンウルフが激しくぶつかり合う。勝負はバッテリー切れのドロー。決着はつかなかったが国府田はアイアンウルフの鼓動を感じ、さすらいのファイターとして生きてゆくことを決め、男の背中を見せて去ってゆくのだった。

デザイナーである母・舞の新作発表の日、勝と誠はそのデザインを忘れていった舞の元にデータディスクを届けることになった。だが、二人の周りをうろつく怪しげな男がそのディスクを狙うように現れ、偶然にもその男の手にディスクの入ったバックがわたってしまった。その男が逃げる最中、偶然歩いていた由宇とぶつかり、なんとそのデータとキングシュバルツの入っていたバックが入れ替わってしまった！ 俳優と女優の父と母の唯一の思い出であるキングシュバルツを奪い返すために、由宇と 佐奈間ラボは直ちに国際スパイとして男を追跡。勝たちも産業スパイだと男を追う。北の街にたどり着いた一行はそこで男の正体が、勝たちの父、正義であると知る。別れた舞の仕事振りが気になり、引っ越してきた家の近くをうろついていたのだ。途端に夫婦喧嘩を始める舞と正義。そしてギアファイトで決着を付けることになってしまった。しかも巻き込まれた由宇はなぜか正義の代わりに勝るとファイトするハメに。マッハジャスティスとキングシュバルツの激しいファイトの最中、正義はつい勝の応援をしてしまう。冷めてしまった由宇はキングシュバルツを手にその場を去ってゆく。だが、家庭の温かさをしらない由宇には勝たちの奇妙な家族構成はちょっぴりうらやましくも映ったのだった。