ずっとイジメられっ子のレッテルを貼られていた実(ミノリ)。そんな彼女の笑顔を見たいと願う方(タカシ)と杏子(キョウコ)は、ある雨の日の午後、思い切って声をかける。けれど結局、笑顔は見られないまま、彼女は体調を崩し学校に来なくなってしまう。 それから二ヶ月…方と杏子の元へ一通の不思議な携帯メールが届いた。送り主の名前もなく返信すら出来ないそのメールは、隣町の夏祭りを知らせるものだった――
エピソード1
独りぼっち
いじめの対象にされ、いつも独りぼっちのミノリ。そんな彼女の笑顔を見たいと願うタカシとキョウコ。しかし、クラスの空気には逆らえず、なかなかその一歩が踏み出せないでいた。
エピソード2
約束
ある雨の日の午後、タカシとキョウコは商店街でポツンと佇むミノリを見つける。そして、ふとしたきっかけから声を掛け、ある約束をするが、彼女は突然泣きだしてしまい……。
エピソード3
勇気
自分たち以外にも味方が一人いると知って喜ぶキョウコだったが、教室に入った途端また萎縮してしまい自己嫌悪に陥る。その様子を見たタカシは、週末3人で隣町の水族館に行けば解決策が浮かぶかもしれないと励ます。
エピソード4
水族館
待ちに待った週末。隣町では人目を気にする必要が無く、3人は開放的になり水族館を満喫する。けれど、クリオネの特別展へと足を進めた頃、ミノリの掛かり付けの病院に彼女の伯母が呼び出されていた。
エピソード5
また明日
水族館の帰り道、遠ざかる夕暮れの神社を眺めているミノリに、解決策はまだ見つからないけれど、とにかく彼女を独りぼっちにだけはさせないと決意する2人。しかし、しばらくして彼女は学校に来なくなってしまう。
エピソード6
百日の花
ミノリはもう学校に来ないという噂が立つ。打つ手のないまま夏休みに入ってしまったある日、2人の元に送り主の名前もなく返信すら出来ない不思議なメールが届く。それは、あの神社の夏祭りを知らせるものだった。
松村沙友理
石川プロ