普通の高校2年生・椿明のクラスに、謎めいた美少女・卜部美琴が転校してきた。ある日、ふとしたきっかけで卜部の机に残っていた「よだれ」をなめた椿は、見知らぬ街で卜部と踊る夢を見る。その後、原因不明の風邪で苦しむ椿のもとに、卜部が見舞いにやってきた。卜部が自分のよだれを椿になめさせた途端、体調は瞬く間に回復。驚く椿に、卜部は彼が「恋の病」にかかっているという。
晴れて卜部と付き合うことになった椿だが、1ヶ月を過ぎてもキスどころか手をつなぐことすら許されない。卜部に抱きつこうとすれば、パンツに仕込んだハサミで威嚇される始末。唯一、恋人らしい行為といえば、毎日卜部のよだれをなめさせてもらうことだけ。不安が募った椿は、自分は本当に卜部の彼氏なのかと訴える。すると卜部は、よだれが自分と椿の絆であることを証明すると言い…。
友人の上野公平が放課後の教室でクラスメイトの丘歩子にキスしていた。衝撃の光景を目撃した椿は、上野たちがひそかに付き合っていると卜部に話す。最初はまったく興味を示さない卜部だったが、ふいに「私と今…キスしたい?」と言い出した。卜部の思いがけない反応にたじろぎつつもうなずく椿に、卜部は自分のよだれを入れた試験管を手渡し、寝る前によだれをなめるよう告げる。
朝からずっとニヤニヤ笑っている上野。聞けば、明日の体育から夏用の体操服に切り替わるので、丘の露わになったすばらしいボディラインを堪能できることが楽しみで仕方がないらしい。友人ののろけ話にあきれつつも、椿もまた卜部の体操服姿を想像して顔を赤らめる。一方、学校では居眠りばかりで、一人でいることを好む卜部。丘からお昼を一緒に食べようと誘われても断るが…。
熱い日差しの下、グラウンドでサッカーの授業を受けていた男子生徒たちの関心はプールに集中していた。彼らはボールを探すふりをしては女の子の水着姿を盗み見ようとする。椿も卜部の姿を見つけるが、タオルに隠されて水着姿を見ることはかなわない。そんな折、卜部が海で泳ぐことが好きだと聞いた椿は、卜部と海へ行く約束をかわす。ところが、夏休み半ばを過ぎても機会は訪れず…。
夏休み最後の日。街で偶然出会った丘の言葉から、椿は、丘が上野のことを「公平くん」と名前で呼ぶことがあると知る。自分も卜部から「明くん」と呼ばれる姿を想像してみる椿だが、あまりピンとこない。翌日、学校からの帰り道に公園に立ち寄った椿は、木陰のベンチで寝てしまった卜部を「美琴」と呼んでみる。その瞬間、寝ぼけた卜部が見せた微笑みに、椿は心を奪われてしまう。
吉谷彩子
Mikoto Urabe
入野自由
Akira Tsubaki
広橋涼
Ayuko Oka
梶裕貴
Kohei Ueno
福圓美里
Yoko Tsubaki