時は1908年。統計局に勤める生真面目な男、クリストファー・ティージェンスは、社交界の花形シルヴィアと結婚する。だが、彼女は既に妊娠しており、子供の父親が誰かは不明だった。それから3年後、品行方正で退屈な夫に苛立ったシルヴィアが愛人と共に駆け落ちしてしまう。そんな折、親友マクマスターらとのゴルフに付き合ったクリストファーは若き女性運動家ヴァレンタインと知り合い、やがて聡明で率直な彼女に惹かれていく。
夫として家庭を守るため妻シルヴィアの駆け落ちを世間にひた隠し、表向きはまるで何事もなかったかのように夫婦のヨリを戻したクリストファー。だが、2人の仲は相変わらずギクシャクとしていた。その上、詮索好きな上流階級の人々は、クリストファーとヴァレンタインの関係を疑い始める。やがて訪れた1914年。第一次世界大戦の影が急速にヨーロッパ全土を覆い始める中、クリストファーはある重大な決心を固めるのだった。
戦場で負傷して帰国したクリストファー。しかし、そんな彼を待っていたのは清廉潔白な彼に嫉妬する人々がばら蒔いた、根も葉もない陰湿な噂と誹謗中傷だった。シルヴィアやヴァレンタインまでもが標的となり、それらを真に受けたクリストファーの父が自殺してしまう。そのような逆境の中で自らの頑なな生き方が通用しなくなったことを痛感する彼は、自分の気持ちと素直に向き合うことでヴァレンタインとの距離を急速に縮めていく。
ドイツ軍による攻撃が激しさを増す1917年。政府高官である兄マークの取り計らいでフランス戦線から離れたルアンの駐屯地へと配属されたクリストファーは、キャンピオン大将の有能な片腕として部下からの信頼も厚かった。そんな彼のもとへ、周囲の反対を押し切った妻シルヴィアが面会に訪れる。長いこと胸にしまってきた気持ちを吐露する妻に激しく心を動かされるクリストファー。夫婦の愛が再燃したかのように思えたのだが・・・。
第6大隊の副長として戦場の最前線へと送り込まれたクリストファー。だが、指揮官は錯乱状態にあり、クリストファーがその代理を務めることとなる。彼の能力に疑問を持つ者もあったが、その確固たる姿勢と誠実な人柄で部下たちから慕われるように。しかし、ドイツ軍との戦いに明け暮れる塹壕での生活は死と隣り合わせ。そんな毎日の中でクリストファーの胸に去来するのは、祖国で帰りを待つヴァレンタインへの熱い想いだった。
べネディクト・カンバーバッチ
Christopher Tietjens
レベッカ・ホール
Sylvia Tietjens
アデレイド・クレメンス
Valentine Wannop
ロジャー・アラム
General Campion
ルパート・エヴェレット
Mark Tietjens