歌が大好きな少女ニノは、幼い頃に交わした二つの約束をずっと覚えていた。幼馴染で初恋の相手――モモと、作曲が得意な少年――ユズ。いつの日か、歌を目印に二人とまためぐり会えると信じて歌い続けてきた。高校入学の日、新入生オリエンテーションの場で、軽音部の演奏が始まった。人気絶頂の中、解散が報じられている謎の覆面バンド、「in NO hurry to shout;」――通称イノハリの曲が流れた時、彼女たちの運命は唐突に鳴りはじめた…!
ニノとモモ、お隣さん同士で仲良しの二人は、いつも一緒に歌っていた。何があっても必ずモモがいれば大丈夫…。そう信じていたのも束の間、二人に突然別れが訪れる。支えを失い、こみ上げる思いを止められなくなったニノは海で叫ぼうとするが、そこで出会ったのは砂浜に楽譜を書く少年、ユズだった…。鳴りはじめた3人の運命の、始まりの物語が明かされる。
イノハリの歌は皆に届いているけれど、自分の歌はまだ届いていない…。ニノは、自分の歌を好きな人に届けるために、深桜に発声指導を頼み込む。深桜との技術の差に落ち込むかに見えたが、ここから這い上がれば良いだけだ、と決意を新たにするニノ。二人の間に奇妙な友情が芽生える。その夜、家で見ていた音楽番組で、ニノはある文字を見つける。そこには、作曲:桐生桃 と書かれていた…。
ユズが歌えなくなった原因は小さい頃の自分にあると知ったニノ。自責の念から、ニノ自身も歌えなくなってしまった。ユズはニノの誤解を解くため、そして自分のために歌ってもらうため、とっておきの新曲を聴かせる。ユズのメロディーに心を動かされたニノに、ユズはついに自分の秘密を打ち明けようとするが、その時、ニノにオーディションの合格を告げる連絡が…。
ついにニノが加入し、「本物のアリス」を手に入れたイノハリは、待望のテレビ初出演に向けて猛練習を始める。初めての体験に心躍るニノだが、同じ日に開催されるオーディションのことも気掛かり。「お前の歌は目印にならない」と、ニノのオーディションだけ欠席を決めたモモ。ユズに届いた自分の歌は、モモにも届くのか。万感の思いを胸に、オーディション会場の扉を開ける…。
「あの5分間、どう歌ったのか殆ど思い出せない…。」衝撃的なテレビ出演を果たしたイノハリ。世間の反響に喜ぶメンバー達だったが、ニノの元にモモのマネージャー、月果から電話が。月果に呼ばれた先で、ニノはモモのギターを受け取る。自分の歌はモモにも届いたのだ…。その証とも言えるギターを手にしたニノは、「カナリヤ」のフレーズを練習し始める。一方、ニノを中心に結束を固めていくイノハリを目の当たりにした深桜は…。
早見沙織
Nino Arisugawa
内山昂輝
Momo Sakaki
小野大輔
Yoshito Haruno
高垣彩陽
Miou Suguri
福山潤
Ayumi Kurose