3年生達の壮行試合から数ヶ月。1年生キャプテン・谷口の下、墨谷高校野球部は倉橋・半田・鈴木という新メンバーを加え再始動。倉橋の提案で強豪・川北高と練習試合を開始した。圧倒的な力の差で初回から大差で引き離され浮き足立つ墨高ナイン。倉橋は実力のない半田を引き合いに暴言を言い放ち始める。巻き起こるナイン間の軋轢の中、谷口の采配は…。そして更に、谷口は突然の右肩の激痛に苦しみ、マウンドに倒れるのだった。[スポーツ/競技]
川北高との練習試合の最中、右肩の激痛で病院に運ばれた谷口は、以前野球を断念する原因となった右手人差し指の怪我が治る可能性があるという驚愕の言葉を医師から聞く。しかし失敗すれば二度と野球はできなくなるという。谷口はナインや両親にも一切を隠し一人で手術を受けるか悩み苦しむ。唯一その経緯を知り、葛藤する谷口を心配する田所。谷口は自分の力ではどうする事も出来ない苦しさにふと神社に足を向ける。そこには…。
二年生となった谷口の下に松川・島田・加藤という新たな精鋭が加わった。その実力あるプレイに感化され、従来の部員達も練習に力を入れる。谷口は、夏の大会の目標として五回戦進出を掲げ、対戦する可能性のある高校に手分けして偵察を開始した。しかし、三年生の中には相手をナメてかかる者もいて、一回戦の相手・言問高校の偵察もロクにして来なかった。そんな態度に倉橋は激怒し、チーム内の関係は悪化してしまい、遂に一回戦が始まるのだった。
地区予選一回戦・言問高校との試合が開始。墨高ナインは過信から言問高に対して油断し、先取点を取られてしまう。谷口と倉橋は言問に脅威を感じるが、他のナインはいつでも返せると楽間的。そして9回表、未だ1点の差を縮める事ができず墨高最後の攻撃となる。ようやく焦り始めた墨高ナインは、倉橋の心理作戦と谷口の三塁打で逆転のチャンスを掴む。スクイズを仕掛けようとしたその時、半田は危険を感じ作戦の変更を提案する。
一回戦を突破し、二回戦、三回戦をも勝利を収めた墨高の四回戦の相手は強豪のシード高・聖陵高校。特訓中、前キャプテンの田所が激励に訪れ、四回戦突破すれば鰻丼を奢るという約束を交わす。そして試合開始、先発は一年の松川、そこには五回戦の為に余力を残すという谷口の戦略があった。しかし初回から猛打を浴び、意気消沈する松川。更に倉橋が攻撃中でのクロスプレーで聖陵キャッチャーに猛抗議、波乱を巻き起こす。
聖陵キャッチャー・西田の行動が走塁妨害だという倉橋の抗議は審判に認められず、その態度の悪さから、墨谷ナインからも交代させようとの声があがってしまう。しかしクロスプレーはまたも発生。今度は中山が守備妨害でアウトに。谷口は、「派手に抗議した方が審判も注意深くなる」という倉橋の行動の意味を理解し、改めて頼もしく思うのであった。8回裏、5点差を追う墨高は、1点を返すもののまたも西田の危険なブロックに阻まれてしまう。