謡曲の師匠・京子は、家元の囲われ者。が、弟子の英男とは思いを交わす仲だ。その英男がやがて心変わりしていく。
エピソード1
足袋
エピソード2
見送って
基子は夫に先立たれてから22年、気難しい姑・千代乃に仕えてきた。娘・悠紀子の結婚が決まったとき、基子は恋人の内海と別れ、家を出ることを決意する。
エピソード3
愛犬
愛犬・タローと暮らすみよは、妻子ある信用金庫支店長・高島と深い仲。ある日、偶然、殺人事件の現場を目撃するが、犯人・野村から、逆に、不倫をネタに脅迫される。
エピソード4
箱根初詣で
夫と死別した慶子は、再婚した夫・弘吉と箱根へ初詣にやってきた。そこで前夫の同僚の妻だった絹江と出会う。慶子の夫は、5年前絹江の前夫とともにニューヨークのいかがわしい場所で黒人に殺されたのだった。そのとき、慶子は、夫と絹江がつきあっていたと聞かされる。再会した絹江には5歳になる子供がいた。そして、名前は慶子の亡き夫と同じだった。慶子の心に前夫に対する疑惑と、今の夫への嫌悪がわきおこる。
エピソード5
遺墨
速記者の真佐子は人気エッセイスト・呼野に気に入られ、尊敬の気持ちから、いつしか愛人に。彼の妻・志乃婦は京都の富豪の娘。恩がある呼野は妻に頭が上がらない。
エピソード6
お手玉
ルポライターの前沢は料亭の女将・とみ子を取材するため、東北の温泉宿を訪れた。1年前、とみ子の夫・栄治は妻の浮気の現場を目撃した直後に変死していた。