マークスの山
閑静な住宅街で起こった元暴力団員・畠山 (池田成志) の殺人事件。事件の担当となった捜査一課七係の合田雄一郎警部補 (上川隆也) は、生前の畠山の足取りを追うが糸口を掴めずにいた。時を置かずして、法務省官僚である松井 (矢島健一) が殺されるという事件が起こるが、その傷口は畠山の事件のものと酷似しており、事件は連続殺人へと発展したかに見えた。だが警察上層部からは「合同捜査はなし」という不可解な命令が下る。合田は大学時代の同期であり元妻の兄でもある東京地検検事・加納 (石黒賢) に事情を求めるが「上の命令に従え」と拒まれ、合田たちの捜査は困難を極めていく。一方、医療刑務所を出所した謎の青年・水沢 (高良健吾) は、恋人であり看護師の真知子 (戸田菜穂) の元に身を寄せていたが、彼が時折漏らす「暗い山」という言葉の影には何かしら秘密めいたものが感じられていた。「週刊潮流」の記者である根来 (小西真奈美) は、建設会社社長の佐伯 (佐野史郎) の贈賄容疑を取材していたが、編集長の滝沢 (相島一之) から畠山の殺害事件を追いかけるよう命令を受ける。そして、行き詰る捜査の中で浮上した参考人の中には、畠山の前科事件の公判を担当した弁護士の林原 (小日向文世) もいた…。巧妙に張り巡らされた“組織の圧力”。意地とプライドにかけて“見えない敵”を追い続ける刑事たち。果たして「マークス」とは、いったい何なのか?