『ミョヌラギ』は、結婚という人生のひと時の中でも、新婚という短い時期に拡大鏡を当てるドラマである。望遠鏡でもなく、顕微鏡でもない。遠くから見れば、新婚ほやほやで幸せそうに見えるだろうし、あまり近づけば実体が破れてはっきり見えなくなるはずだから、拡大鏡を当ててみることにする。愛するから結婚し、結婚すればもっと幸せになると思っていた我が時代の平凡な花嫁ミン・サリンが、結婚以後の人生でなぜ戸惑い、なぜくやしい思いをするのか、拡大鏡を通じて観察する。そして、当たり前だと思っていたことが、実はあたりまえでないということを、「いいのがいい」という言葉は、誰においていいのかを、もう一度考える機会になってほしい。「こんな私が鋭敏ですか？」「私だけがこんな風に感じるんですか？」と自問する人たちに、あなただけがそう感じるのではないと、鋭敏だからではなく現実が間違ってるから戸惑うようになるのだと、慰めと共感を送るドラマである。誰かが悪いためでなく、皆が深く考えず、癖のようにしてきた言葉と行動が、このような現実を作り、誰かの息子で、娘で、妻で、夫で、父で、母である私たちが少しずつ譲り、考えを変えれば、改善できる問題であるということを見せてあげたい。