藤家美冴(篠ひろ子)は幸せな家庭の主婦である。夫・芳行(林隆三)は一流会社の部長、長男・雄介(吉田栄作)は大学生で就職先も決まり、長女・叶美は高校に合格したばかり。 そんなある日、芳行は京都へ2泊の出張に行くが、仕事の都合で2日目の夜が空いてしまった。そのとき芳行は不意に、10年前に金沢で行きずりの女性と一夜を共にしたことを思い出す。彼女に会いたくなった芳行は金沢行きの列車に乗りこんだ。 車内で芳行は、新婚旅行の途中で夫に逃げられたという不思議な雰囲気を持った女性(紺野美沙子)に声を掛けられる。金沢に着いても10年前の女性と会えなかった芳行は、その不思議な女性とベッドを共にしてしまう。
金沢で芳行(林隆三)と一夜を共にした女性・佳沢妙子(紺野美沙子)が喪服で彼のもとを訪れた。 新婚旅行中に逃げた妙子の夫が自殺したのだと言う。その日以来、芳行は度々妙子のアパートに通い、彼女と身体を重ねた。 同じ頃、芳行が捨てたと言っていたはずの財布が美冴(篠ひろ子)宛に送られて来る。宛名が女性の字だったことや、芳行の度重なる行動に不審を抱いた美冴は、夫に女性の影があることを感じていた。 そんなある日、美冴の通う組紐教室に妙子が入学する。一方、雄介(吉田栄作)は突然婚約者の真佐代(長山洋子)から結婚延期を言い渡されるが・・・。
同じ組紐教室に通うことになった美冴(篠ひろ子)と妙子(紺野美沙子)はすぐに親しくなった。妙子は離婚歴があることを美冴に打ち明け、美冴もまた、夫が浮気しているかもしれないことを妙子に話した。 一方、美冴は雄介(吉田栄作)の婚約者・真佐代(長山洋子)と2人で会うことになる。雄介との結婚延期も理由があっての事だと知った美冴は、芯の強い真佐代に好感を持つ。 数日後、雄介は真佐代を藤家家に招待した。美冴は、芳行(林隆三)が出張で留守の為、妙子も呼ぶことにする。その頃から藤家家に度々無言電話が掛かってくるようになり、犯人は夫の愛人だと確信した美冴は、妙子に相談を持ちかける。
芳行(林隆三)の浮気疑惑に悩んでいる美冴(篠ひろ子)は、妙子(紺野美沙子)から琵琶湖旅行に誘われる。 当日、妙子は村木(宇都宮隆)と言う青年を連れて来た。妙子と村木の親密な様子を目の当たりにした美冴は、なぜ自分が誘われたのか疑問を持つ。 あくる日妙子は美冴に、村木と別れたいので美冴からも村木を説得して欲しいと頼む。二人の別れに一役買う事にした美冴だったが、村木はなかなか諦めようとしない。 翌日、美冴と妙子は金沢まで行き、そこで1泊することにするのだが・・・。
芳行(林隆三)は、美冴(篠ひろ子)と妙子(紺野美沙子)の旅行に同行した村木(宇都宮隆)を呼び出した。 妙子を愛するあまり、美冴と離婚したいとまで思うようになっていた芳行。美冴にも誰か相手が出来れば簡単に離婚できると考え、村木に美冴を誘惑してほしいと懇願する。芳行の願い通り、村木は美冴に会い、3回会ってくれたら告白したいことがあると告げる。 一方、妙子は雄介(吉田栄作)のもとを訪れ、ラブホテルへと誘った。そんなある日、芳行の上司のもとに、ある写真が送りつけられ・・・。
芳行(林隆三)は出張先に妙子(紺野美沙子)を連れて行き、仕事相手の部屋でわざと妙子を抱いた。案の定、契約は白紙となり芳行は辞表を提出する。しかし美冴(篠ひろ子)には会社を辞めたことを黙っていた。 一方、雄介(吉田栄作)は真佐代(長山洋子)から、芳行、雄介がそれぞれ妙子とラブホテルに入る現場が撮影された写真を見せられる。妙子と芳行の仲を知った雄介は、芳行に彼女と別れるよう詰め寄った。 同じ頃、美冴は村木(宇都宮隆)と3回目のデートをしていた。そして、村木は美冴にある告白をする。