片桐哲平（木村拓哉）24歳。仕事も遊びも目一杯楽しんで、精力的にこなすタイプ。今日も今日とて、羽目を外して楽しんだのはよかったが、ポケットに残金は三百円。たよりの終電にもこんな時だけの女友達にも、見事に振られまくってしまった。次の対策を考える哲平の前に、格好の“カモ”が見つかった。 振られた男の車に「バカヤロー！」と思いっきりハイヒールを投げつけた一人の女。 哲平は、落ちたハイヒールを持っていってやり、一緒にホテルに行くところまでこぎつけた。Hして、泊まって、ホテル代も出してもらえたりして。しかし、哲平の考えは甘かった。 女はノンストップでカラオケを歌いまくると、疲れたのかそのままダウン！おまけに、哲平が目を覚ました時、ベッドの隣はすでにもぬけのカラだった。 さんざんな一夜を過ごした上、遅刻して今日の仕事場であるポスター撮影のスタジオに入った哲平をさらに打ちのめす事態が待ち受けていた。

営業課所属となった哲平（木村拓哉）は、着なれないスーツに身を包み、クライアントが主催する日本人形の展示会へと来ていた。名刺を差し出し、担当者に頭を下げ、時には、そんなことまでというような頼み事も受けなくてはならない。 しかし、戸惑っているばかりの哲平に比べ、同行した理子（松たか子）は気楽に帰りの食事のことなどに思いをめぐらせている。「お前どういうつもりで来たんだよ」とあきれ返る哲平。 「サボるために決まってるでしょ」と理子。と、そんなやりとりをしている二人の前に、偶然にも会場に来ていたさなえ（純名里沙）が現れた。 理子は、さなえを一目見るなり哲平がつきあっていた女性であることを直感する。 何を言いだすかわからない理子を引っぱって会社に戻った哲平を待っていたのは、上司・黒崎（平田満）からの新しい仕事だった。次のコンペの仕切りを全て哲平に任せるというのだ。

せっかくの日曜だというのに、哲平（木村拓哉）は、理子（松たか子）、黒崎（平田満）ら営業課の面々と得意先の会社の運動会へ。 これも仕事のうちなのだが、哲平は不満顔。でも理子は悪戦苦闘でおにぎりなど作ってきて、哲平と一緒に過ごせることがうれしくて仕方がない。 しかも、このおにぎりを作ってきてあげたことにかこつけて、夕食をおごってもらう約束までとりつけたのだ。が、なんと哲平が連れて行ったのは自宅アパート1階のインド料理店で、今度は理子が不満顔。おまけに、哲平の友達・吉本（川端竜太）がやって来て同席することになってしまった。

ある日、理子（松たか子）が風邪で会社を休んだ。前の日、バースデイケーキを持って哲平（木村拓哉）の部屋をたずねた理子は、さなえ（純名里沙）から入った突然の電話に二人きりの時をさえぎられ、気まずいムードのまま哲平の部屋を後にした。 会社に行って哲平と顔を会わせたくない気分の理子は、実は会社をサボってしまったのだが・・・・・・、何とその哲平が、心配して理子を見舞いにやって来た。 あわてて病人を装う理子に、ミニチュアのサボテンを渡し、お粥まで作ってやる哲平。ひそかに幸せ気分の理子。 数日後、哲平は兄の荘一郎（内野聖陽）から、次の日曜日が結納だと知らされる。 さなえと兄が結婚しても、さなえを姉とは思えないと告白した哲平にとっては、また辛い時を過ごすことになる。

「好きでもないのに、私のこと構わないで！」理子（松たか子）は吉本（川端竜太）と一晩すごしたことを哲平（木村拓哉）に責められ、ついそんなことを言ってしまった。 あれから会社で顔を合わせても理子は一言も哲平としゃべらず、無視している。 あいさつさえせず、差し入れの菓子も哲平には配らず・・・・・・。しかし、そんな子供っぽいことをいつまでも続けているわけにはいかなくなった。 得意先のプレゼン資料作りを明日までにと任された哲平が、理子の手助けが欲しいと黒崎（平田満）に進言したのだ。二人きりになった営業課。だが、気まずいムードが漂う。

哲平（木村拓哉）と理子（松たか子）は、ようやくお互いを好きという気持ちに気がついて、それを確かめ合うことができた。哲平の部屋で目覚めた理子は、一緒に出勤できることが嬉しくて営業課のみんなにも、哲平とつきあい始めたことを言いたくて仕方がない。でも哲平は「それはマズイ。先のことは分からないし・・・・・・」とたじろいでしまう。 不満な理子。だけど2人の事は、エリカ（藤原紀香）が知り、吉本（川端竜太）の耳にもはいった。哲平は近くに迫った社員旅行の幹事として旅館の予約などをしながら、理子の気持ちをなだめるために、兄・荘一郎（内野聖陽）とさなえ（純名里沙）を家に招いて、恋人として理子を紹介することを約束した。 さなえは、哲平からの招待を荘一郎に伝えながらも、“最近の荘一郎の様子がおかしい、何か自分に隠し事をしているのでは”と問いただしたい気持ちで一杯だった。