専業主婦･田所朝子(田中美佐子)は､怪獣オタクの夫･誠治(吹越満)との愛のない生活に嫌気がさし､家を飛び出す｡夫の宝物である｢怪獣ブースカ｣の人形と貯金を持った朝子がたどり着いたのは｢リバーサイドタウン｣という街だった｡ 街のホテル｢マリア｣に身を寄せた朝子は､ポルノ小説家･工藤真由美(桃井かおり)と知り合い､親しくなる｡そんな中､2人にそれぞれ恋の予感が･･･｡朝子は屋形船を切り盛りする青年･守(柏原崇)に､真由美はホストクラブで知り合った猛(高橋克典)に､忘れていた胸のときめきを覚えるのだった｡

守(柏原崇)の借金を肩代わりした朝子(田中美佐子)は｢返済の代わりに恋人になって欲しい｣と頼む｡守は朝子の言動を不審に思いながらも､渋々申し出を承諾｡後日､遊園地を訪れた朝子と守｡しかし､守は｢さっさとやる事を済まそう｣と言い出し､朝子を驚かせる｡ 一方､ホストクラブを辞めた猛(高橋克典)は､掛かりつけの診療所を訪れる｡しかし､主治医の老医師は半年前に亡くなり､娘のさとみ(菊地麻衣子)が医院を引き継いでいた｡

肉体関係が目的の交際と勘違いする守(柏原崇)に､朝子(田中美佐子)は｢普通の恋人同士になりたいだけ｣と説明する｡一方､猛(高橋克典)と再会した真由美(桃井かおり)は､死んだ恋人と猛が酷似していることを打ち明ける｡その話を聞いて､猛は真由美に恋人の代役を申し出るのだった｡ ある日､何もする事もなく川辺で過ごす朝子と真由美｡そこに屋形船に乗った猛と守が通りかかる｡2人は屋形船を営む岩田家の長男と次男だった･･･｡

猛(高橋克典)と守(柏原崇)に誘われ屋形船に乗り込んだ真由美(桃井かおり)と朝子(田中美佐子)は､楽しい一時を過ごす｡屋形船を営む岩田家の長男でありながら､家を出て自由気儘に生きる猛｡そんな兄に代わり守は家を継ぎ､借金まで背負いこんだのだった｡その借金を肩代わりした朝子との奇妙な交際を知った猛は､守に｢嫌なら断れ､その代わり引き受けたなら全うしろ｣と助言する｡守は反発を覚えながらも猛の言葉を受入れ､朝子をデートに誘うが･･･｡

朝子(田中美佐子)は他人の目に自分と守(柏原崇)のデートが不自然に映っている事に気づき愕然とする｡ そんな中､朝子は､守が父親と2人で屋形船を切り盛りしているのを見つけ､手伝いを買って出る｡一方､死んだ恋人に生き写しの猛(高橋克典)から｢して欲しいことはあるか｣と聞かれた真由美(桃井かおり)は一言､｢私より先に死なないで｣と告げる｡猛は真由美の言葉に笑顔で応えるものの､激しく動揺し･･･｡

花火大会の日が近づき､朝子(田中美佐子)は浮足立つ｡屋形船を手伝い､守(柏原崇)と花火を見ようと楽しみにしていたのだ｡ところが､守に｢その日は幼なじみの祥子(山口紗弥加)が来る｣と断られてしまう｡ 一方､真由美(桃井かおり)は､猛(高橋克典)がさとみ(菊地麻衣子)とキスしている所を目撃してしまう｡真由美はさとみに激しい嫉妬を感じ､死んだ恋人の代わりではなく､猛本人への恋心が芽生えている事に気づき･･･｡