山口県周南市の限界集落で、故郷にUターンして暮らしていた保見光成被告が、一晩のうちに住民5人を殺害、2軒の住宅に火を放った事件。集落でいったい何が起きていたのか。これまで口をつぐんできた住民たちが、重い口を開いた。証言からは、都会からUターンしてきた男と、住民たちの思いのすれ違いが、やがて埋められない溝となっていった過程が見えてきた。[NARR](C)NHK
18年前、新大久保駅で人を助けようと線路に飛び降り、韓国人留学生が命を落とした。その母は「息子が憧れた日本」を深く知りたいと、今も欠かさず駅を訪ね続けている。事故の後、留学生の勇気ある行動は日韓で賞賛された。しかし、政治レベルで両国の関係は浮き沈みを繰り返した。母も、当初は憤りを感じていたが、息子の思いを追い続ける中で、心に変化が現れる。日韓関係が史上最悪とも言われる今、母は何を思うのか。[NARR](C)NHK
息子一家4人を奪われた宮沢節子さん(88)はこれまで家族の死を受け止められず過去を振り返ることを避けてきた。しかし2019年、その日々を揺るがす出来事が。警察から老朽化などを理由に事件現場である自宅の取り壊しを打診されたのだ。さらに警察が証拠として保管してきた遺品の返却も始まった。事件から20年目となる中で家族の死に向き合うことを迫られた節子さん。癒えることのない深い悲しみの先に何を見いだすのか。[NARR](C)NHK
覚醒剤取締法違反を繰り返し、去年11月、再び逮捕された元タレントの田代まさし容疑者。息子は、高校生の時に父の最初の逮捕に直面して以来、社会の厳しい目にさらされた。そして、父がその後も繰り返し逮捕される中で、深い葛藤を抱えながら父との関係を続けてきた。薬物使用を繰り返す父と、息子はどんな思いで18年もの歳月と向き合ってきたのか、そして、今回の逮捕をどう受けとめているのか見つめた。[NARR](C)NHK
34年前、ある男子生徒の机の上に同級生や教師が「さよなら」などと寄せ書きをした色紙を置く「葬式ごっこ」のいじめが起きた。13歳だった男子生徒は、その後も続いたいじめを苦に自殺した。遺書に残された言葉を背負い、いじめと向き合っていた元新聞記者は、いじめがなくならないことに悲観し一度は取材をやめたが、当時の担当弁護士が保管していた少年の遺書を目にしたことで、再びいじめと向き合い始める…。[NARR](C)NHK
2019年2月、東京の児童養護施設で起きた施設長殺害事件。凶行に及んだのが、元入所者(22)だったことから大きな注目を集めた。取材を進めると、命を奪われた大森信也さん(享年46)は、元入所者が施設を出た後も、4年にわたって就職の斡旋や住まいの確保などに奔走、手厚い支援を行っていた事実が分かってきた。施設の子どもを「うちの子」と呼び、社会に出た後も支援を続けていた大森さんは何を守ろうとしていたのか。[NARR](C)NHK