仮縫い

2014年の冬、ビル群の影に覆われた小公路の中で、数軒しか残っていない紳士服洋品店。娘の結婚式を目前に控えたギョンヒが、30数年ぶりに思い出を抱きながらその昔働いていたこの場所に戻ってきた。1978年の夏、当時は小公路で唯一の洋品店のミシン補助係として就職した21歳のギョンヒ。中学卒業後、すぐに働き出したヨンヒは、洋品店で前途有望な裁断師ソンヒョンと出会う。いつもおじさんのように思っていたソンヒョンをいつしか異性として意識するようになるが、ソンヒョンが好きな洋品店の社長の妹ソランと、自分を好きだと慕ってくれる夜学の先生ジェミンが心に引っかかる。夢と現実、そして恋。ギョンヒは何を選択し、どんな思い出を心に秘めているのだろうか。