2005年夏。台風が通過したばかりの海にサーフィンをしにやってきた男がいた。彼は、尾島健太 (森山未來)。波は大荒れにもかかわらず、健太は海に向かってパドリングを始める。健太が沖に向かってサーフボードに体を預けているその海の上空を、昭和19年夏、九十三式陸上中間練習機が飛んでいた。操縦しているのは石庭吾一 (森山未來・二役)。年の頃は健太と同じ。しっかりと操縦桿を握っている吾一の遠くで稲妻が走る。と同時に、吾一には飛行機のエンジン音が聞こえなくなり、意識が遠のいて行く。そして同時に、現代の健太も、目の前に大きな半透明の壁が立ちはだかり、気が遠くなっていった。健太が意識を取り戻した時、今まで見たことのない、景色を目の当たりにする。一面の田んぼと畑。健太は戦争中の日本にやってきてしまった…。一方、吾一が目を覚ましたのは病室。海で倒れているところを救出され、連れてこられたのだ。吾一は、彼が倒れていた際、近くに置いてあった車から尾島健太と断定され、健太の家で暮らすようになリ…。