Before You Could Become a Memory

スタイリストの佐伯奈緒 (観月ありさ) は、やりがいのある仕事をてきぱきとこなし充実した毎日を送っていた。海外に住む姉･美穂 (森口瑤子) 夫婦が所有する家に留守番も兼ねて住んでいたが、姉家族が帰国することになり引っ越すことに。これを機に恋人の結城和也 (玉山鉄二) は奈緒にプロポーズ。奈緒にとって最高の日となった。ところが翌朝、突然の訃報…。姉家族は強盗に遭い、美穂は銃で撃たれ即死だった。空港へ向かうと頭に包帯を巻いた義兄･光彦 (椎名桔平) が、息子の祐輔 (広田亮平) の手を引いて出てきた。もう一方の手には遺骨を抱え、どこかうつろな瞳…光彦はショックで記憶をなくしていた。

突然、児玉 (モロ師岡) と名乗る男から殴られた光彦 (椎名桔平)。児玉の会社とトラブルがあったものの、すでに裁判で光彦が勤める伍代物産が勝訴していた。順子 (木村多江) は優しく声をかけるが、光彦は児玉の怒声を忘れることができなかった。奈緒 (観月ありさ) は人気アーティスト･堤エリカ (上原多香子) から仕事を依頼され、ますます忙しい日々を送っていた。数日後、出社した光彦は専務の柏木 (平泉成) から、光彦は以前シンガポールの地下鉄計画の日本側の責任者だったと聞かされる。光彦が部屋を出ると、柏木は忘れていた方が幸せなこともあるとつぶやいた…。

奈緒 (観月ありさ) は和也 (玉山鉄二) をランチに誘うと、さりげなくちひろ (加藤あい) のことを話題にした。はぐらかすような和也の口調に奈緒の不安は膨れ上がった。後日、炎天下の撮影で立ちくらみを起こした奈緒が早めに帰宅すると、心配した和也がやって来た。ちひろとの関係を問いただすと、和也もこらえていた気持ちをぶつけた。和也の思いもかけない言葉にショックを受けた奈緒が、美穂の遺影の前でぼう然としていると光彦 (椎名桔平) が声をかけてきた。男の人は同時に2人の女性を好きになれるのかと悩む奈緒に、光彦はかつて順子 (木村多江) とも付き合っていたことを打ち明けた。