わたしと安達は体育館の2階で偶然知り合ったサボり仲間だ。一緒にピンポンしたりしなかったり程度の関係で、人付き合いは基本的に面倒だと思っているわたしにはちょうど良い距離だった。のだが、最近どうも安達の様子がおかしい。まるで人に興味のない猫みたいだったのに、犬っぽくなってきている気がする。安達に何かしたっけなあ……。――そんな2人の関係が少しだけ変わっていくお話。
エピソード1
制服ピンポン
体育館の2階でいつもの様にしまむらとサボっていた。この場所と、友達未満の距離感でいられるしまむらは心地が良い。ある日、偶然しまむらが知らない人達と帰っている場面に遭遇した。目は合ったけど特に声は掛けなかった。次の日お互いその事を気にしているのか、いつもの場所には微妙な空気が流れていた。そんな中しまむらから今日授業を受けよう、と今日一緒に帰ろうならどっちがいい? と提案された。私は――。
エピソード2
安達クエスチョン
日野に面白いやつがいるからと誘われ釣り掘に来た。そこには自称未来人で宇宙飛行士風の衣装を纏ったヤシロと名乗る奇妙なやつがいた。次の日、安達にその話をしたのだがどうやら興味は無さそうだったので、ふと安達に提案をしてみた。午後から授業を一緒に受けないか、と。意外や意外、その提案はあっさり受け入れられたのだが、代わりに安達からも提案を頂いた。授業終わったらどっか寄ろう、と。
エピソード3
二等辺トライアングル
よくわからないけど安達は私の部屋を飛び出して行った。次の日いつもの場所にも教室にも安達の姿が見えなかったのでメッセージを送ってみた。が、既読にならないので家に行ってみよう、そうしよう。道中見知らぬ奇妙なやつに声を掛けられたが、なんだかんだ安達家に到着した。家から出てきた安達は思いのほか元気そうで何よりだったのだが、何やら真剣な眼差しをしながら――。
エピソード4
女子高生ホリデイ
お試しチケットが有るからと、母に連れられジムに来た。ルームランナーを少し頑張ってみたのだがダメ出しと小言が飛んでくるのでプールに避難した。そこには水泳教室の女の子を見つめながらへらへらしている金髪のお兄さんがいた。なんだこいつはと引きつつ、プールを出てサウナへ向かったのだが、道中すれ違ったおばさんに何か引っかかる。見た事ある様なないような……。少しばかり考え、気が付いた。おおぅ、うんめー。
エピソード5
アダチズQ
クリスマスを何とかしまむらと過ごせないか。そんな事を考えシミュレーションするばかりで行動に移す勇気のない自分に自己嫌悪すらする。学校でもしまむらの姿をつい目で追ってしまっていたそんな時、偶然日野に声を掛けられたことがきっかけで、自然な流れで勉強を口実にしまむらの家に行くことに成功した。私はちゃんとしまむらにクリスマスの予定を聞くことが出来るだろうか。
エピソード6
ホワイト・アルバム
クリスマスの予定は取りつける事に成功した。だけど今度は交換するプレゼントを何にしようか、という難問に直面してしまった。そんな折、偶然お昼が一緒になった日野からしまむらが好きなお茶についての情報を聞くことができた。だけど銘柄までは思い出せなかったみたいなので、現地調査する事を提案した。日野はそれなら思い出せるかもと、一緒にショッピングモールに行ったのだけどそこで私はとある光景を目にしてしまった。
伊藤美来
上田麗奈
鬼頭明里
沼倉愛美
佐伯伊織
桑原智