東京・谷中の寺内家に、お手伝いのミヨコ(浅田美代子)がやって来た。その日の午後、寺内家の長女・静江(梶芽衣子)の恋人・上条(藤竜也)が挨拶に来た。親に隠れて半年もつき合ってきた上、一緒になりたいから会ってくれと言われた寺内家の主人・貫太郎(小林亜星)は、すこぶる機嫌が悪い。しかも、上条は離婚歴があり、子供を連れていた。そのことを貫太郎がなじったため、上条は早々に帰り、静江は家を飛び出してしまう。
寺内家の長男で浪人中の周平(西城秀樹)の受験が3日後に迫った。家族は周平に対し、腫れものに触るような態度。 一方、貫太郎(小林亜星)は周平が朝食を一緒に取らないことに怒っていたが、妻・里子(加藤治子)に諭されて3日間だけ我慢しようとする。周平は祖母のきん(樹木希林)からその事情を聞かされるが、かえって落ち着かなくなってしまった。そんな特別扱いが気に入らない周平は、勉強をせず女の子と遊んで反発するが・・・。
親類の結婚式に貫太郎(小林亜星)と里子(加藤治子)が行くことになった。きん(樹木希林)は、自分も式に出席できると思っていたが、留守番だと知り拗ねてしまう。貫太郎たちに塩をまいて出迎えたり、静江(梶芽衣子)の見合い話を独断で決行しようとするが、失敗に終わる。しまいには、飲み屋で手に入れた発煙筒をたいて火事に見せかけ、皆を驚かせる作戦に出た。きんの度が過ぎた嫌がらせに、貫太郎の怒りは爆発し・・・。
いよいよ周平(西城秀樹)の合格発表の日となり、寺内家は誰もが祈るような気持ちだった。周平はすでに一浪しており、今度落ちたら石屋を継がせると貫太郎(小林亜星)から言い渡されていた。しかし、家族の願いもむなしく周平は不合格。それと同時に静江(梶芽衣子)のケガは自分が原因だと信じこみ、周平はすっかり荒れてしまう。 そんな周平に、里子(加藤治子)は貫太郎の古い日記を見せた。それを読んだ周平は、自分が生まれる前の事実を知る。
石工のタメ(左とん平)が風邪をひいて高熱を出したので、良くなるまで寺内家で寝泊まりすることになる。東京に身寄りのないタメにとって、寺内家での養生生活は極楽だった。言葉や態度には表さない貫太郎(小林亜星)の優しさにも感動するタメ。しかし、かえって独り身の悲しさを思い知らされ、一家の親切ぶりが疎ましくさえなっていった。 一方、周平(西城秀樹)は家族の干渉をうるさがり、受験勉強のために一人暮らしをしたいと言い出し・・・。
里子(加藤治子)が頭痛を訴えても、短気で不器用な貫太郎(小林亜星)は、心にもない言葉を口にしてしまう。悪いことは続くもので、風邪気味のきん(樹木希林)に、ミヨコ(浅田美代子)が間違って下剤を飲ませてしまった。トイレに駆けこむきんに責任を感じたミヨコは、自ら下剤を飲み、周囲を驚かせる。 一方、具合の悪い里子をお手伝いのように使う貫太郎に腹を立てた周平(西城秀樹)。例のごとく、貫太郎と取っ組み合いのケンカになってしまう。