19世紀末、イギリス。少年ばかりを狙った連続殺人事件がロンドンの市民たちを脅かしていた。ウィリアム・ジェームズ・モリアーティは、被害者の共通点から犯人がとある貴族であることを探り当てる。特権階級の立場を利用し、弱い立場の少年たちを慰み者にする殺人犯を断罪すべく、“犯罪相談役(クライムコンサルタント)”であるウィリアムが作り上げた計画は……。
生まれながらに一生涯の身分が決められる階級制度は人間同士の差別を生んだ。そんな階級制度を嫌悪するモリアーティ伯爵家の嫡男アルバートは、慈善活動で訪れたラグド・スクールで不思議な魅力を持った孤児の少年に出会う。大人顔負けの博識でどんな相談にも応える彼のもとに自然と集まる人々。そしてアルバートもまた彼にある提案を持ちかける。
アルバートの推薦でモリアーティ家は孤児の兄弟を養子に迎えた。しかし養子といえど下級階級(アンダークラス)出身者。真の「貴族の子ども」に成り代わることはできない。家族どころか使用人たちさえもふたりを見下し虐げる様子に、アルバートは……。モリアーティ家の三兄弟、アルバート、ウィリアム、ルイス。血のつながり以上に彼らを強く結びつけた幼い日の契約と誓い。壮絶な過去が明らかに……!
赴任先の大学近くに移住したウィリアムたちは、領主のベルファー子爵から晩餐に招かれる。贅を尽くした食事の後に案内された子爵自慢の温室には、希少な植物が集められていた。植物の世話を任されているのは庭師のバートンという男。ウィリアムは、彼の妻のミシェルが子爵を深く恨んでいると聞いたことを思い出す。しかし子爵に横柄な態度で頤使されても、バートンはただ黙々と従っていて…。
数学教授としてダラム大学で教鞭をとるウィリアムは、生徒のルシアンが出掛けたきり3日も戻ってきていないことを知る。しかもルシアンが愛を誓っていた酒場の女給が、橋の上から身を投げて亡くなったばかり。大学の経営を手伝うジェントリーのダドリーは、特に心配する必要はないと言うが…。不審に思ったウィリアムはふたりの仲間を呼び寄せ、ルシアンの動きを探り始める。
革命のためにウィリアムが打ち出した新たな計画。それはロンドンの市民たちを観客に、世界の歪みが最も顕になるような死を演出する“犯罪の劇場化”。ウィリアムが犯罪劇の最初の舞台として選んだのは、豪華客船「ノアティック号」。主演は若き伯爵、ブリッツ・エンダース。彼には人狩りをしているという黒い噂があって…。計画が進む中、ノアティック号に乗り込んだウィリアムは謎の男と出会う。
斉藤壮馬
William James Moriarty
小林千晃
Louis James Moriarty
古川慎
Sherlock Holmes
日野聡
Sebastian Moran
佐藤拓也
Albert James Moriarty