大盛(たいせい)国の北の国境を守る靖安(せいあん)侯の屋敷から、謀反を起こした嵬南(かいなん)王の世子・段衍(だんえん)の手によって軍事機密を記した「錦繍(きんしゅう)山河図」が盗まれた。奪還の依頼を受けた江湖の情報機関・山水渡(さんすいと)の宗主・文思淵(ぶんしえん)は、正陽宮の侠客、沈曼青(しんまんせい)と殷長歌(いんちょうか)にこれを依頼。山河図と引き換えに曼青が捜している一族の敵(かたき)・商晩(しょうばん)の居所を教えると約束し、助っ人として流浪の医者・左卿辞(さけいじ)と盗賊の飛寇児(ひこうじ)を同行させる。4人は山河図を追って赤炎沙(せきえんさ)に向かい、荒野を進むが…。
左卿辞たちが赤炎沙に着いた頃、山河図を奪った段衍は宰相・羅木耶を訪ね、古茲との間を取り持つ約束を取りつけていた。段衍が滞在する羅木耶の別邸に山河図があると見た左卿辞らは、盗み出そうと画策する。
サソリの毒にあたった飛寇児は屋敷から脱出。左卿辞と共に雪域三魔の追跡から逃れる途中、先程救った妓楼の雑用係・朱厭にかくまわれる。左卿辞は毒を抑える施術をし、飛寇児が女であることを知っていると告げる。
雪姫夫人に取引を持ちかけた帰り、左卿辞は雪域三魔に捕らえられる。助けにいくと焦る長歌らに、飛寇児は左卿辞が残したという文を見せ、計画を進める。一方、鬼童子は何も明かさない左卿辞に賭けを持ちかける。
斬首されそうになった左卿辞だが、飛寇児に救われる。駆けつけた曼青たちは丑奴児を始末し、一行は赤炎沙から脱出を果たす。その頃、古茲の使者と面会した段衍は、羅木耶に陥れられたことに気がつく。
山河図の奪還が難しいため、靖安侯は娘の厳晴を守るよう秦将軍に託す。そのやり取りを陰から苦渋の表情で聞いていた厳晴は、自分が段衍をかくまったせいで山河図を盗み出されたことを悔やんでいた。