幼い頃、養護施設の前に捨てられていた天涯孤独の高校生、桜井夕月は最近よく見る不思議な夢を気にかけていた。そんな夕月に届いたのは、一通の手紙。差出人の書かれていないその手紙は、夕月の存在を否定するものだった。捨てられた過去、不幸の手紙…。自分の存在理由に悩み続ける夕月だったが…。
謎の事故から夕月を助けたのは、銀色の瞳を持つ美しい青年・ゼス。初めて出会ったはずのゼスに、不思議な懐かしさを感じる夕月。そんな自分に戸惑いながらも、いつも通りの日常に戻りつつあった…。しかし夕月の前に、祗王天白と名乗る“異母兄”が現れ、平穏だった夕月の日常が崩れ始める―――!
特殊な能力を持つ「祗王一族」の総帥・天白や叢雨十瑚・九十九との出会いに、夕月は一人戸惑っていた。自分の本当の居場所は、天白の許なのか、それとも養護施設の子供達の許なのか…戸惑う夕月を優しく見守るゼス。しかし魔の手は次第に夕月に近づきつつあった―――。
ワルプルギスの夜。行方不明になっていた養護施設の子供達を探していた夕月は、同じ学校の同級生・宇筑からの連絡を受け、学校へ辿りつく。しかし、夕月の前に現れたのは…?!一方、夕月の身を案じた九十九は、自らの能力を使い、夕月の居場所を着き止め、救出に向かう―――。
自分の居場所を祗王の中で見出し、ルカやツヴァイルトと共に東京へ向かうことを決意した夕月。その道中、隣で眠るルカに言葉に出来ない気持ちがこみ上げてくる。その頃、夕月を待つ東京の天白のもとに、悪魔絡みと思われる事件が持ち込まれる。警視庁では新しいツヴァイルトが夕月を待ち受けていたのだが―――。
警視庁で天白を待つ夕月の目に、不信な男に襲われている少女が映った。思わず警視庁を飛び出し、少女を助けに向かう夕月。しかし、その男の正体は土人形(ゴーレム)で、再び夕月と少女に向かってきたのだが…。その危機を救ったのは、『神の声』を持つツヴァイルト・焔椎真だった―――!