時には過激でありながらも、人々の心に訴える歌詞で世界中のファンを虜にし、多大な影響を与えたラップ界のスーパースター、トゥパック。ところが、言葉の魔術師として異名を持ち、知性を備えた彼を謎のヒットマンが虎視眈々と狙う。アメリカ音楽史におけるもっともスキャンダラスで不可解なこの殺人事件の真相に迫る。

ロサンゼルスでもっとも恐れられる冷血な2つのギャング集団、ブラッズとクリップス。後者のメンバーであるオーランド・アンダーソンは、トゥパックが銃弾に倒れた夜、ラスベガスに滞在している。その事実は、この事件においてどのような意味を秘めているのだろうか？アメリカのエンタメ界を震撼させた謎の殺人事件の証拠を、あらゆる角度から徹底検証する。

かつてリスペクトし合っていたトゥパックとビギーの信頼関係の崩壊、そしてNYとLAのラッパーたちが繰り広げた激しいせめぎ合いにはどんな背景があったのだろうか？ビギーとパフィがトゥパックとシュグ・ナイトと交わした過激なディスバトルは、どのような経緯を辿って銃撃事件や取り返しのつかない音楽界における最大の悲劇を引き起こしたのだろうか？

元ストリートギャングのメンバー、ヒップホップレーベル「デス・ロウ・レコード」の設立者、そして暴力沙汰に関しては右に出る者のいないシュグ・ナイト。頼みのドル箱であったトゥパックのレーベル脱退は、謎に満ちた殺人事件の引き金となったのだろうか？レーベル脱退時にシュグから銃口を突き付けられたアーティストや彼の元用心棒など、関係者の証言を入手すればするほど、謎はより一層深まる。

大ヒットを量産し音楽史に残る成功を収めた「デス・ロウ・レコード」。西海岸のラップシーンを代表するこのレーベルの乗っ取りは、トゥパック殺害の動機の1つとなり得る。ところが、シュグ・ナイト自身の命が狙われていたという可能性が浮上した今、トゥパックの死によって莫大な利権を手にすることになる複数の人物に疑惑の目が向けられ、捜査が新たな展開を迎える。

世界を震撼させたトゥパックの死。とある人物が、彼の死の秘密を知っていると名乗り出るが、彼が手紙に書いた告白の内容は真実なのか、あるいは虚実なのか？さらに事件の発生時、容疑者と一緒にいた人物が20年の沈黙を破り、トゥパックの殺害に使われたとされる銃に関する極秘文書が検証される。その銃が発見された意外な場所は、事件の真相解明につながるのだろうか？