透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。
人との関わりにトラウマを持つ大学生・空野かける(そらの かける)は、とある授業で、一人静かに本を読む女性を見かける。ある日、学生寮のルームメイト・鳴海潮(なるみ うしお)のクラス会に無理やり参加させられたかけるは、そのクラス会にいた幼馴染の早瀬優子(はやせ ゆうこ)をきっかけに、目の見えない女性・冬月小春(ふゆつき こはる)と出会う。彼女は、あの時教室で本を読んでいた女性だった。かけるはそこで、小春が目が見えないことを知るのだが、成り行きで小春の授業のサポートをすることになる。かけるは小春の明るさと前向きさに触れるうちに、だんだんと小春に惹かれていく。一方小春も、目が見えない自分を特別扱いせずにフランクに接してくるかけるに惹かれていく。過去のある出来事から他人と深く関わることを避けてきたかけるだったが、小春の作る「人生でやりたいことリスト」の一つ、「打ち上げ花火を上げる」という夢を叶えようと走り出す――!楽しむことを諦めてきた男子大学生が、強く生きる目の見えない女性に目に見えない恋をする切ない純愛ラブストーリー。
