一平爺さんのお使いで、夜泣き谷と呼ばれる渓谷を訪れた三平は、そこでイワナたちが群れでタヌキに襲い掛かる異様な光景を目の当たりにし、びっくり仰天。「夜鳴き谷では普通のこと」そういって連れられたイワナの穴場、鳴神淵で三平は、「夜泣き谷の怪物」と呼ばれる、片目の巨大イワナと対面するが…。
丹下左膳になぞらえ、怪物を「左膳岩魚」と名づけた三平。しかし作膳岩魚は用心深く、棲み処の大岩から容易に出てこないため、並の竿ではポイントまで届かない。さらに夜泣き谷にはダム開発の手も迫り、対決のために残された時間はあまりにも少ない…。すべてを解決する三平の奇策とは? そして勝負の行方は…!?
火山の爆発でできた小型カルデラ湖、貝沼。そこには正体不明の青いウロコの鮒が潜むという…。いまだ誰も釣り上げたことがないという謎の青鮒を巡り、いけ好かないボンボンの妨害、そして謎の男の不可解な行動…。それぞれの思惑が交差する中、一平爺さんの竿が何かを捉えるが…!
姿を見せないまま、惜しくも取り逃がしてしまった大物。しかし、一平爺さんの針には謎の青いウロコが残されていた。青鮒の存在に色めき立つ三平たちだが、そのウロコを見せられたボート屋は態度が急変。なんとボートの貸し出しを渋りだす…。ボートがなくては、青鮒のポイントまでは届かない。八方ふさがりの逆境、果たして三平の起死回生はありえるのだろうか!?
たらいを船代わりに貝沼に漕ぎ出した三平は、ついに青鮒をその竿に捉える! 三平の懸命な追撃にも負けず、悠々と沼を逃げ回る青鮒に対し、ついに三平は自らも水中に飛び込む体当たりの奇策で応戦。果たして青鮒の正体とは? そして三平たちをつけまわした謎の男の真意とは? すべての秘密が明らかになる…!
その昔、増水で上流から養殖されていた鯉が流れ出し、今では野生化した野鯉の棲み処となっている三日月湖が、ユリの田舎にあるという。早速ユリとともに湖を訪れた三平は、そこで魚紳という凄腕の釣り人と運命の出会いを果たす。彼からこの湖に住むカッパの噂を聞かされ、三日月湖に棲む大物の予感に闘志を燃やす三平。果たしてカッパの正体とは何か?