作り手の技法と手間暇をかけた唯一無二の手仕事“クラフト”。今回は長野県で作るこだわりの「味」をご紹介。安曇野産の素材にこだわり、米やリンゴで「クラフトビール」を生み出す醸造家。標高1500m、長和町の高原では厳選した県産豚肉と独自の発酵方法で至極の「クラフト生ハム」を作る。信濃町の野菜や果物を使った「クラフトアイス」の作り手は、とうもろこしから驚きの野菜まで、素材主役のジェラートを作る。信州の豊かな自然と素材を生かし、手間暇をかけて作るクラフトの味。作り手の思いを伝える。

「昭和十八年夏、槍ヶ岳を望む」と記されたモノクロ写真。映っている青年は、NBSの新人・土居通徳アナウンサーの亡き祖父。槍ヶ岳に向かう登山道のどこかで撮影した写真と言われている。「祖父と同じ場所に立ちたい。自分も槍ヶ岳に登りたい」と考える土居アナは、北アルプスの表銀座と呼ばれる人気ルートを大縦走。戦時下に祖父はなぜ山に登ったのか、思いを馳せながら歩く。途中で出会う登山者たちにも山に登る理由を尋ねる。

長野県軽井沢町にある工房では、持ち込まれた服をリメイクしてクマのぬいぐるみに着せる、オーダーメイドのテディベアを製作している。楽しかった学校で着ていた制服、スポーツの全国大会に出た時のウェアなどを着せた「記念のベア」とともに手掛けているのが「お形見ベア」だ。病気や事故で亡くなった家族の、思い出が詰まった服を着たベアを迎えた人たちは、ベアを見て癒やされ、ベアとの暮らしの中で新しいことに踏み出す力をもらうという。お形見ベアを依頼した家族を訪ね、小さなぬいぐるみの周りにある、悲しみからの再出発の日々、家族の心の軌跡をたどる。