海沿いの小さな村、シュヴァニッツに越してきた獣医のヤコブスは、その初日、暴走車が海に飛び込むのを目撃する。自殺したと思しき運転手は、偶然にも村の獣医師だった。ヤコブスは、同じく現場に居合わせた警察官のローナに、死んだ獣医の動物病院を引き継ぐよう提案される。その翌日、浜辺を犬と散歩していたヤコブスは、再び事件に遭遇。漂着した船の中で、男2人が死んでいるのを発見する。砂浜には何者かの足跡が残されていて…。

7年に一度、2月24日と25日、シュヴァニッツは恐怖に包まれる。かつて住民たちが打ち倒した悪名高きバイキング、ヴィルデ･スヴェンの怨念が、村人2人を呪い殺すからだ。7年前、命を落としたのはローナの親友だった。そして今年も、1人目の犠牲者が出る。自宅のベッドで遺体となって発見された男は、奇妙なことに、大量の水を飲んで溺死していた。しかも、彼は7年前、ローナの親友が事故死した現場に居合わせていて…。

ある穏やかな朝、シュヴァニッツに銃声が響き渡る。ローナの父レイマー･フォークトが暮らす施設で、人が撃たれ死亡した。被害者は旅行者で、死に際に、そばにいたヤコブスに紙にくるまれた金属片を託した。ヤコブスが船に戻ると、何者かが侵入した形跡があり、次の瞬間、見知らぬ男が彼に銃を向けた。一方、犯行に使われた銃を調べたローナは、諜報機関の人間が事件を起こしたと推測。自分の父親の過去に疑問を抱き始める。

バイクのスピードを競うノルディック･レースが村で開催されることになり、人が集まる中、海に浮かぶ男の遺体が発見された。その男はスウェーデン人の犯罪者だった。ローナは、ホテルに現れた被害者と同郷のニルスたちスウェーデン人に疑いの目を向ける。一方、ユーレは10年前にレースで死亡した兄を追って自身も危険なレースに出場しようとしていた。ヤコブスはユーレの父に、レースに出るのを止めてくれと頼まれるのだが…。

警官を装った2人組による窃盗事件が発生し、動物病院でも、計画中の動物保護施設のための資金が盗まれてしまう。直接犯人と話したユーレが聞いたひと言が重要な手がかりとなり、ローナは容疑者を絞り込む。そんな時、ヤコブスの前に突然、昔の恋人サンディが現れた。サンディを運命の人だと思っているヤコブスは、彼女の夢をかなえるため、動物病院を休んで船旅に出ることを決意。ヤコブスを頼りにしているユーレは、心中穏やかでない。

静かな森に突如、銃声が鳴り響く。撃たれたのはシュヴァニッツに住むフィリップ･ベネディクト。重傷を負い、昏睡状態となるも、村人たちの反応は冷たかった。傲慢で好色な彼は、いわゆる「村の嫌われ者」なのだ。ローナがヤコブスと犯人捜しに奔走する一方で、ローナの父･レイマーは怪しげな男と接触し、銃で撃たれてしまう。ケガを負った父をローナは警察署にかくまうが、彼を追ってきたハンブルク警察の捜査官がやってくる。