婚儀を終えたばかりの裴行倹 (はい・こうけん) が、ひそかに新しい屋敷を探しているらしい。崔 (さい) 夫人から、そんな情報を聞かされた臨海 (りんかい) 大長公主は、裴府に1人の奴婢を送り込む。雨奴 (うど) と呼ばれるその娘は、陸琪娘 (りく・きじょう) ――すでにこの世を去った行倹の前妻と生き写しであるだけでなく、奏でる簫の音色までもがそっくり同じだった。「旦那様をお慰めします」と、行倹に近づく雨奴。「大長公主は策略家ね」。そうつぶやいた庫狄琉璃 (こてき・るり) は、行倹と雨奴を伴い、挨拶という名目で“敵陣”へ乗り込むことに…。
