エピソード1
話 サイレン
話: 高校時代、青羽紬(川口春奈)は、3年生の時に佐倉想(目黒蓮)と同じクラスになる。想の声と紡ぐ言葉に惹かれた紬は、戸川湊斗(鈴鹿央士)に紹介を頼んで仲良くなり、音楽という共通の趣味をきっかけに交際を始める。愛おしいかけがえのない時間を過ごしていたが、大学進学で東京と群馬で離れ離れになるタイミングで、想から一方的に別れを告げられてしまう。何が理由なのかもわからないまま振られた紬は、8年という時が過ぎ、心残りはありながらも、今は大型CDショップで大好きな音楽に囲まれて働きながら、同窓会で再会した湊斗と幸せな日々を送り、2人の将来を考えるようになっていた。 そんなある日、紬は駅のホームで偶然、想の姿を見かける。思わず声をかけるが、想は紬を無視するかのように去ってしまう。 紬から想を見かけたことを聞いた湊斗は驚く。高校時代、紬と誰もがうらやむ恋人同士だった想は、紬に別れを告げた時に、高校時代の仲間たちとの連絡も絶っていた。 その後、紬だけでなく湊斗も想を探し始める。高校時代の恩師を訪ねた湊斗は、想の現状を知らないと言われるが、恩師は今でも想と連絡を取り合っていた。 一方、紬は想を見かけた駅に足を運ぶが、会えずにいる。 湊斗は想の実家を訪ね、応対した想の妹・萌(桜田ひより)から連絡先を聞く。その時、湊斗は萌から想に関する衝撃の事実を聞かされる。想は耳が聞こえなくなる病にかかり、紬や仲の良かった湊斗たちと縁を切っていたのだ。 呆然と帰る湊斗は想の母・律子(篠原涼子)とすれ違ったことさえ気づかない。律子は湊斗が家に来たことを知り、想の耳のことを話してしまった萌をたしなめる。 湊斗は戸惑いながらも想にLINEを送るが返事は来ない。また、想の姿を求めている紬にも悲しい現実を伝えることができなかった。 そんなある日、湊斗と待ち合わせた紬は、駅でイヤホンを落としてしまう。そのイヤホンを拾ったのは想だった。 紬を見て逃げるようにその場を去る想を、必死に追いかける紬は、「今は何をしているの?」などと問いかけるが、想には届かない。 ついに、想の腕を取って紬は自分に振り向かせる。だが、想の表情は悲しみに暮れていた。 そして、なぜ別れを告げたのか、どれだけ自分が紬を思っていたかなどを、手話でまくしたてる想。しかし、今度は手話を知らない紬には届かない。思いが通じ合わない2人。紬の手を振り切って去る想。紬はその場に呆然と立ち尽くすことしかできなかった。