
S1, E1: 司法研修所で、初日の講義が始まった。ここは司法試験に合格した者たちが、裁判官や検察官、弁護士などになるため一年半の司法修習を行う場所。ある者は大学からストレートに、またある者は一度社会に出てから厳しい司法試験に合格してくるため、集まった面子は、それぞれに違った背景、経歴を持っている。そんな教室で、楓由子(ミムラ)はあらかじめ決められているはずの自分の席を探していた。もと、某会社の苦情処理センター勤務のOLだった楓は、これからスタートする司法修習に、他の修習生同様、期待で胸を膨らませていたのだが・・・。 刑事裁判担当の野佐木恍也教官(石橋凌)が入ってくると、おもむろに授業が始まる。野佐木が出す事例に対し、修習生が法的判断を答えていく。野佐木は“散歩中の野良犬に噛みつかれそうになったので、近くに落ちていた棒で叩きのめした”行為の正当防衛の成否を羽佐間旬(オダギリジョー)に問う。羽佐間は、なぜか答えそのものよりも“誰が犬を叩いたか?”に固執し、野佐木から相手にしてもらえない。そんな時、野佐木は携帯電話を見ていた松永鈴希(奥菜恵)を注意。松永は、素直に従うが野佐木から“携帯電話の迷惑メールを規制する法律”についての説明を求められると、即答できない。野佐木は、元外務省勤務の男、桐原勇平(堤真一)を指名。桐原は、同法律に関する答えをすらすらと述べるが、野佐木から“ツユダクは?”と尋ねられると、言葉に詰まる。野佐木は桐原を例に、法律家が相手にするのは生身の人間だと修習生に語る。そして、この場にも様々な人間がいると。崎田和康(北村総一郎)は元会社員。田家六太郎(我集院達也)は、バイトをしながら苦節18年の末やっと司法試験に合格した。黒沢圭子(横山めぐみ)は、元専業主婦。今も子育てにてんてこ舞いだ。と、ふとその野佐木と森乃望(松雪泰子)の目があった。野佐木は森乃に前職を問うが、なぜか森乃は言葉を濁す。最後に、野佐木は才能を発揮できない人間には辞めてもらうと、きつく言い放って講義を終えた。 次に修習生たちは、検察担当の沢口裕子教官(もたいまさこ)の講義で課題に取り組む。喫茶店のアルバイトを無断で辞めた女性を、果物ナイフで脅して服を脱がせ下着姿の写真を撮影した経営者にどんな罪が適用されるか?というもの。沢口は、午後5時までに事務局教務課に課題を提出するよう言い残して教室を出て行く。修習生たちは次々と仕上げて席を立つが、楓はなかなか答えが見つからない。 その日の夕方、修習生たちの入所パーティーが行われた。しかし、そこに楓の姿はない。まだ、昼間の課題に取り組んでいたのだ。ようやく楓が課題を仕上げて、教務課の職員を探して会場に現われた時、パーティーは終了していて修習生たちは2次会に向かおうとしていた。駆け込んで来た楓に応対したのは、教務課長の山本宗司(金田明夫)。楓は、書類を提出しようとするが、山本は締切時間が過ぎたと受け取らない。しかも、山本は渡された書類を床に放り出す。その行為を見ていた羽佐間が山本に食ってかかる。そんな羽佐間を止めたのは森乃。時間厳守を守れなかった楓に非があると言う森乃だが、散らかった書類を優しく拾い楓に差し出した。年長の崎田も手伝ってくれた。森乃は、気分を変えて楓、羽佐間、崎田に2次会へ行こうと提案。ところが、場所がわからない。森乃は、居残っていた桐原に尋ねる。実は、桐原も知らなかったのだが見栄を張ってこれから行こうと思っていたと答える。打開策を探す桐原は、やはり居残っていた黒沢と田家、松永に声をかけて誘い出す。これだけ居れば、誰か知っているハズ・・・。 8人は、桐原を先頭に歩き出すが、2次会の場所は誰も知らず、会話もない。と、突然、楓が昼間の課題を口に出した。楓は“強制わいせつ罪”が成立すると書いたことを話すと、他のみんなも同意。結局、2次会の会場には行けなかったが、8人の見解は一致した。ところが・・・。