
シーズン1、エピソード6: ミステリー作家“M”(阿部寛)は、15年以上前に前職で知り合い親しくなった、TVプロデューサー・大関が病床に伏していると言う噂を耳にする。 詳しい話を聞くため、Mはかつて勤めていた美術制作会社を訪れた。すっかり変わってしまった顔ぶれの中、社長だけは相変わらず気だるそうにタバコを吸っていた。 かつて通った中華屋に社長と訪れる。そこで社長から聞かされたのは、大関が「体調が悪い」と医者に訴え検査したところ、癌がかなり進行していてすぐに入院したらしい、ということだった。 「お前は何も変わらないな」社長はMに言った。Mは思う。もう何も変わらなくていいのに、周りは勝手に変わっていく。恋人“F”の失踪以来、様々な珍事に巻き込まれてきたMは「いい迷惑だ」と愚痴のようにこぼした。 その帰りに立ち寄った“Bar灯台”にはFの姉(酒井美紀)がいた。MがFと電話で話した事を伝えると姉は少し安心した様子でMに礼を言い、店を出ていく。会うたびに「連帯責任」としてお金を取られ、それが当たり前になっていたMは、今日姉が徴収をしていない事に気付いて、彼女を追いかける。大通りで姉を見つけ、お金を渡すM。そんなMに姉は首を振る「もういいんです」。戸惑うMに別れ際「変わっていくんですよ、全部」と言った姉は、そのままタクシーで去っていった。 閉店後のBar灯台。泉(青木柚)とフクオ(宮藤官九郎)は、カオル(Chara)がレジ締めを終えるのを待っていた。手持ち無沙汰にドラムのチューニングをするフクオに、泉は意を決して自分が息子である事をフクオに伝えるのだった。 空が明るんできた、どこか海辺の観光地。Fがラグジュアリーなベッドルームで一人暇を持て余している。テラスに出たFの前には、美しい朝焼けの海が広がっていた。