
シーズン1、エピソード1: 新ミレニアム(千年期)を迎え、希望と不安の入り交じる都会。そこに「普通」に生活する女性システム・エンジニア(中山美穂)の人生に、突然、重い使命を背負った某国工作員(金城武)の人生が重なった。まるで2000年1月1日に発生した「人生のバグ」。 クリスマスの夜、システム・エンジニアの理得(中山美穂)は、仕事だけの満たされない人生に違和感を覚えていた。 同じ頃、某国工作員の若い兄弟が成田に到着した。入管で不審者として追われ、怪我をした弟は、兄(金城武)に殺された。兄は涙しながら弟の遺髪を持ち、闇に消えた。 大晦日の夜、理得に外務省から、呼び出しが掛かった。行くと「野上」というIDカードを着けた男が仕事をしていた。それは逃げ出した件の男だった。パスワードが分からない「野上」は、理得に危険な興味を持った。二人は2000年を迎えた瞬間、コンピューター・バグでエレベーターに閉じ込められた。「野上」はなぜか人を呼ばず、非常脱出口を叩き破り理得を助け逃げ出した。その時、理得は「遺髪」を拾った。 そんなころ、あるホテルに軟禁されている某国の化学者・ビクトル(ジョニー吉長)は、彼を保護している刑事・佐伯(宮沢和史)から逃走男の似顔絵を見せられ、「私を殺しに来た」と言う。 1月に入り、理得の母の法事が行われたが、やくざ風の男・成次(東幹久)と同棲する妹まりあ(仲間由紀恵)が香典を持ち逃げする。人が信じられなくなる理得。 理得はある日、路上で暴漢に襲われる。それを「野上」が助けてくれた。暴漢が「野上」の仲間であることも知らず、「遺髪」を返し、気を許す理得。「野上」はまんまと理得のIDカードとパスワードを盗み出し、外務省に再侵入。ビクトルのホテルを突き止める。しかしその頃理得は、「野上」の純粋な感覚に魅かれているのだった───