シーズン1、エピソード6: まつば銀行の窓口で、白戸(長瀬智也)は、カッターナイフで手首を切ろうとした若い女性を止め、手の甲を切られてしまった。その騒ぎに気づいた山崎(原田泰造)は、素早く「落ち着いて、お話を」と、周囲には何もなかったように、女性と白戸を奥の部屋に連れていった。女性は、山崎が頭取特命で、処理にあたる相続保険の被害者の美幸(真鍋かをり)だった。「なぜ?銀行の窓口で、カッターなんか」。美幸とは別室に連れて行かれた白戸が不審を感じている時、小塚(植木等)は辰美(小日向文世)らに、「まつば銀行潰し、ちょっと早まるかも」と言い残し、旅に出ようとしていた。小塚には、早くまつば銀行を潰し、仇をとりたい事情があった。その日夕、白戸がまつば銀行から小塚家に戻ると、証券会社の松井(相島一之)が待っていた。「じいチャンは?」と聞く白戸に松井は「バカンスだそうです」と言い、まつば銀行株の信用取引、50万株、2億円の取引報告書を出し、「これを運用しろとの伝言です」と白戸に差し出す。「えっ!」。聞いてないと言おうとする白戸に、松井は信用取引は、証券会社から一端株を預かり、売り、その売り値より安く買い戻し、利益を得る取引。「失敗すれば、5億円ぐらいの損は軽い」と半ば脅すように話しだす。山崎の支店に内部監査が突然入った。厳しい監査だが、山崎は頭取の威光を傘に平然とやり過ごし、関根(近藤芳正)には、美幸にけがをさせられた白戸へお詫びを、遥(長谷川京子)には、大手自動車会社へ、まつば銀行株の第三者割当増資の引き当て了承を取り付けるよう命じた。割当増資は銀行の資産増になり信用アップになることから、これも頭取から、山崎は命じられていた。そのころ、白戸は、400円で買い戻せば、手数料分は損だが、一応チャラ、1円高く買うと50万円、10円だと500万円、100円だと5000万円・・・の損とゾッとしながら、株価チャートが表示されるパソコン画面を食い入るよう見つめていた。「400円。買おう!」と電話に手を伸ばすと、突然ベルが鳴った。小塚だった。「最大の儲けを出しなさい。波だ。株価の波を自分自身で感じろ」とだけ小塚は言い、切った。小塚はテルコ(八千草薫)を見舞っていたのだった。山崎が美幸を訪ね、相続保険の件で、和解してくれるよう頼むが、美幸は納得しない。一方、第三者割当増資の件は、社長を説得、引き受けを了承してもらった。まずまずの山崎。そのころ、白戸の元を山崎の命令で、関根がタイヤキを手みやげに訪ねていた。まつば株の決算に迷う白戸、一方、サラリーマン稼業の関根。「人生って・・・辛いね」など、妙に打ち解けてしまう二人。その後、誠実だけが売りの関根は、山崎の命令で長年の取引先を切るはめになり、相手に、土下座してわびるのだった。まつば銀行株の第三者割り当て増資を大手自動車会社が引き受けないという情報が流れ、まつば株が値下がりし始めた。チャンス!「最大の儲けを出せ」と命じられているだけに白戸の表情も変わるが、どの値で買い戻したらいいのか分からない。情報の真偽も不明のまま。どんどん株価は下がる。自分なり買い戻し値を白戸が決めたとき、小塚から電話が入った。「タイヤキだ。頭としっぽはくれてやれ」。その言葉に、白戸は・・・。
